HRインフォメーション(2015年6月)

最低限押さえておくべき「マイナンバー対策」のポイント

小規模事業者向けの資料が公開

通知カードの送付が10月(中旬~下旬になると言われています)に迫ってきましたが、先日、特定個人情報保護委員会から、小規模事業者向けのマイナンバー関連資料「小規模事業者必見! マイナンバーガイドラインのかんどころ~入社から退職まで~(平成27年4月版)」が公開されました。

以下では、小規模事業者が最低限押さえておくべき、場面(入社、源泉徴収票の作成、退社等)ごとのポイントと留意点をご紹介いたします。

 

マイナンバー制度対応のポイント&留意点

(1)入社

・社員からマイナンバーが記載された書類(扶養控除等申告書等)を取得する。取得の際は、「源泉徴収票作成事務」「健康保険・厚生年金保険届出事務」「雇用保険届出事務」で利用することを知らせる。

・社員からマイナンバーを取得したら、個人番号カード等で本人確認を行う。

・マイナンバーが記載されている書類は、カギのかかるところに大切に保管する。

・マイナンバーが保存されているパソコンをインターネットに接続する場合は、最新のウィルス対策ソフトを入れておく。

(2)源泉徴収票などの作成

・マイナンバーを扱う社員を決めておく。

・マイナンバーの記載や書類の提出をしたら、業務日誌等に記録するようにする。

・源泉徴収票の控えなど、マイナンバーの記載されている書類を外部の人に見られたり、机の上に出しっぱなしにしたりしないようにする。

(3)退職

・退職所得の受給に関する申告書等、退職する人からもらう書類にマイナンバーが含まれている。

・退職の際にマイナンバーを取得した場合の本人確認は、マイナンバーが間違っていないか過去の書類を確認することで対応可能。

・保存期間が過ぎたもの等、必要がなくなったマイナンバーは廃棄する。マイナンバーを書いた書類は、そのままゴミ箱に捨ててはいけない。

(4)支払調書の作成

・税理士や大家・地主等からマイナンバーを取得する。取得の際は、「支払調書作成事務」等で利用することを知らせ、本人確認も忘れずに行う。

・気をつけることは、社員のマイナンバーと同じ(カギのかかるところに大切に保管、最新のウィルス対策ソフトの導入、マイナンバーを使う社員の特定、業務日誌などへの記録、机の上に出しっぱなしにしない、必要がなくなったマイナンバーは廃棄)。

 

「確定拠出年金」制度導入企業増加の背景と法改正の動き

政府目標は2万社

厚生労働省の調べによると、大企業を中心に確定拠出年金(以下、「DC」)制度を導入する企業が増えており、政府が目標としている2万社を近く達成する見通しになったとのことです。

今後、中小企業や公務員、主婦等にも、DC活用が広く期待されます。

 

導入企業増加の背景

DC導入企業が増えている要因として、3つのことが考えられています。

(1)企業負担が少ないこと

年金給付額が確定されていて、運用利回りが予定より下回った場合、その差額を企業が負担しなければならない確定給付年金(以下、「DB」)と異なり、DCは穴埋めしなければならない義務がありません。

(2)政府による導入の後押しがあること

政府は、DCの非課税になる掛金額の上限を引き上げ、導入の後押しをしています。

(3)運用環境が好転したこと

日経平均株価の上昇や、外貨で運用した場合の円安による含み益増がありました。

 

法改正と今後の動向

政府は、公的年金を補う私的年金の柱としてDCを拡充する方針で、以下の内容で今通常国会に法改正案を提出しています。

(1)企業年金の普及・拡大

・事務負担等により企業年金の実施が困難な中小企業(従業員100人以下)を対象に、設立手続等を大幅に緩和した「簡易型DC制度」を創設する。

・中小企業(従業員100人以下)に限り、個人型DCに加入する従業員の拠出に追加して事業主拠出を可能とする「個人型DCへの小規模事業主掛金納付制度」を創設する。

・DCの拠出規制単位を月単位から年単位とする。

(2)ライフコースの多様化への対応

・個人型DCについて、第3号被保険者や企業年金加入者(企業型DC加入者については規約に定めた場合に限る)、公務員等共済加入者も加入可能とする。

・DCからDB等へ年金資産の持ち運び(ポータビリティ)を拡充する。

(3)DCの運用の改善

・運用商品を選択しやすいよう、継続投資教育の努力義務化や運用商品数の抑制等を行う。

・あらかじめ定められた指定運用方法に関する規定の整備を行うとともに、指定運用方法として分散投資効果が期待できる商品設定を促す措置を講じる。

 

転職をめぐる状況が変化?「ポジティブ転職」が増えてきた!

変化している就職・転職市場

「転職」というと、「終身雇用」や「年功序列」が基本だった時代にはネガティブなイメージもありましたが、これらが崩れている近年では、適度な転職回数があり、複数の職場での業務経験がある人のほうが、評価が高いケースも珍しくありません。

 

転職理由の変化

こうした状況を受けて、転職理由も変化しています。

転職サービス「DODA」によると、2015年上期の転職理由調査では、「ほかにやりたい仕事がある」が第1位。

2008年の調査開始以降初めて「会社の将来性が不安」の割合が10%を切り、「業界の先行きが不安」「倒産/リストラ/契約期間満了」がポイント・順位ともに前回2014年下期調査を下回る一方、自身の市場価値を上げること、就業環境や待遇の改善を理由とする「ポジティブ」な転職の割合が増加しています。

 

「必要人材の離職」への備えも必要

景気の状況が良くなり、求人数が増加するなど求職者の選択肢が広がっていることも、「ポジティブ転職」を後押ししていると言えます。

DODAでは、「現状に不満はないものの、他によりよいところがあれば転職を考えたいといった層も増えてきている」と分析しています。

人材不足の時代、企業運営上は、必要人材の離職を防ぐために、この層に対する手当を積極的に行っていくことを検討していくことも今後求められると言えそうです。

 

ご存知ですか? 雇用保険給付金の申請期限が過ぎても申請可能に!

申請期限が過ぎても…

育児休業給付金や介護休業給付金をはじめとする雇用保険の給付金について、支給申請をしたものの、「申請期限が過ぎていて給付を受けられなかった」ということはありませんか?

しかし、これからはそういった心配やミスはなくなりそうです。

 

時効完成までの期間であれば申請できます!

これまでは、雇用保険の受給者保護と迅速な給付を行うために、申請期限を厳守しなければなりませんでしたが、今年の4月より、申請期限を過ぎた場合でも時効が完成するまでの期間(2年間)については申請が可能になりました。

ただ、申請期限内に支給申請をしないと、通常より給付金の支給が遅くれる場合や、雇用保険の他の給付金が返還になる場合もありますので、原則、申請期限内に支給申請を行うことが大切です。

 

申請期限が過ぎていて給付が受けられなかった場合は?

以前に給付金の支給申請を行ったにもかかわらず、申請期限が過ぎたことで支給されなかった場合はどうでしょうか。

この場合についても再度申請をし、その申請日が給付の時効の完成前で給付金の支給要件を満たしていれば、給付金は支給されます。

該当する方はいないか、確認してください。

 

対象となる給付は?

雇用保険の各給付のうち、下記のものが対象となります。

<対象となる給付>

高年齢雇用継続基本給付金、高年齢再就職給付金、育児休業給付金、介護休業給付金、一般教育訓練に係る教育訓練給付金、専門実践教育訓練に係る教育訓練給付金、教育訓練支援給付金、就業手当、再就職手当、就業促進定着手当、常用就職支度手当、移転費、広域求職活動費

 

「オワハラ」~企業が内定と引き換えに学生に圧力?

景気回復で企業が過剰な人材確保策?

大手企業を中心に企業の業績改善がすすむ中、来春卒業する大学生らの就職活動は学生有利の「売り手市場」で進んでいます。

こうした中、人材を確保したい企業が内定や内々定を出した学生に、活動を終えるよう働きかけを強めているようです。

一部では、学生に過剰な圧力をかけ、「終われハラスメント(オワハラ)」などと呼ばれて問題化するケースも出ています。

学生の自由な選択を妨げれば違法行為となるおそれもあり、文部科学省は初の実態調査に乗り出す方針です。

 

内定者が就活を続けていると明かした途端に内定取消しの例も

ある企業では、いったん内々定を出した学生が「就活を続けている」と明かした途端に、内々定を取り消したそうです。

 

また、別の企業では、内定の条件として「8月上旬は研修があるので予定を空けておく」ことを繰り返し要求し、誓約書へのサインを求めました。

これらの行為はいずれも学生へのハラスメント(嫌がらせ)に当たる可能性があり、文部科学省も「内々定と引き換えに就職活動をやめるよう強要する」「8月1日以降、長時間拘束する選考会や行事を実施する」などの例を挙げて、就活生へのハラスメント行為を慎むよう企業に求めています。

 

背景には経団連の指針見直しも

これらの問題化の背景には、経団連が今年から新卒採用に関する指針を見直し、採用選考の開始時期をこれまでより4カ月遅らせて8月1日としたことがあります。

経団連に加盟しない外資系や非経団連系の企業は指針に縛られず、早い段階で選考が行えるため、経団連加盟企業は対策として、インターンシップなどを通じて実質的な選考を前倒しで行うことも多いとされています。

 

早めの採用選考が「オワハラ」の温床にも

このため、早めに採用選考をして内定や内々定を出す企業ほど、内定辞退を警戒して「オワハラ」につながるケースも多いようです。企業としては、手間ひまとコストをかけて確保した人材を逃したくないというのも本音でしょう。

多くの企業では内定を出した学生と継続的な接点を持つなど、適切な範囲で内定辞退対策を講じており、今のところ行き過ぎた行為は一部とみられますが、文部科学省は今月から、大学の就職支援担当部署などを対象に抽出方式でハラスメント行為の実態調査も行うそうです。

 

「ストレスチェック制度」実施マニュアルのポイント

「ストレスチェック制度」とは?

改正労働安全衛生法により、平均的にパートや臨時の労働者も含め50名以上の労働者を使用する事業者は、今年12月1日から来年11月28日までの間にストレスチェック(以下、「SC」という)を実施し、以降毎年1回以上実施することが義務付けられます。

SCは、メンタルヘルス不調の予防に役立てるため、労働者の職場におけるストレスの程度をチェックするもので、5月7日に「実施マニュアル」と「Q&A」が公表されました。

 

実施に先立ち決めておくべきこととは?

まず、事業者が実施を表明し、衛生委員会等で関連規程や実施方法、受検案内や結果等の通知方法、関連情報の取扱いルール等を決めておく必要があります。

また、労働者にも事前に実施について周知しておくとともに受検を促す等が必要となります。

実施マニュアルでは、これらについて、通知文書や調査票の例も挙げて解説しています。

 

実施後に対応すべきこととは?

結果を労働者に通知し、「高ストレス者」と判断された者には医師による面接指導を受けるよう勧めるとともに、一定規模の集団ごとに結果を分析してもらい、問題があれば職場環境の改善や高ストレス者に対する措置等を講じる必要があります。

このとき、本人の同意なく結果に関する情報を収集したり、結果提供に同意しない労働者に不利益取扱いをしたり、医師による面接指導を申し出た労働者に不利益取扱いをしたりすることはできませんので、注意が必要です。

実施マニュアルでは、こうした点も具体的に解説されています。

このほか、「心理的な負担の程度を把握するための検査結果等報告書」を作成し、管轄の労働基準監督署に提出する必要があります。

事前の準備を早めに始めよう

SCは労働安全衛生法で定める、事業者に実施が義務付けられるものですから、健康診断と同様、就業時間中の受検等を認める必要があるほか、費用も事業者が負担します。

疑問や不安に思うことがあれば、専門家に相談する等してスムーズに実施できるよう早めに準備を進めましょう。

 

「退職金・年金に関する実態調査結果」にみる近年の動向

調査の概要

日本経団連と東京経営者協会との共同調査による「退職金・年金に関する実態調査」の結果が公表されました。

この調査は、退職金・年金の実態および退職金水準の動向を把握し、退職金制度の見直し等の参考とするために 1973年より隔年で実施されています。

今回の調査対象時期は、2014年9月末時点です(前回は 2012年9月末)。

 

「標準者」の退職金

ここでいう「標準者」とは、学校卒業後すぐに入社し、その後標準的に昇進・昇格した者を指します。

 

この標準者の退職金額については、大卒者・高卒者とも勤続年数・年齢の上昇に伴って増加し、「管理・事務・技術労働者」の60歳・総合職で、大学卒が2,357.7万円、高校卒が2,154.9万円となっています。

10年前、20年前と比べると退職金の増え方は、全体的に緩やかになっています。

 

「ポイント方式」採用企業が大半

賃金改定額と退職金算定基礎額の関係では、「賃金改定額とは関係なく別建て」としている企業が増える傾向にあり、今回の調査では76.2%となっています。

 

賃金改定額とは別建てとしている企業のうち、「ポイント方式(点数×単価)」を採用している企業の割合が最も多く、86.0%となっています。

また、ポイント方式を採用している企業が、ポイントの配分をどのような割合にしているかをみると、「資格・職務要素」として約60%、「年功要素」として20%台の配分が多くなっています。

さらに、勤続年数や年齢の上昇に伴い、「年功要素」が低下して「資格・職務要素」が高まる傾向にあります。

 

マッチング拠出の導入状況

「退職年金制度」がある企業についてみると、「確定拠出年金(企業型)」(54.0%)が最多で、「確定給付企業年金(規約型)」(51.3%)、「確定給付企業年金(基金型)」(31.7%)と続いています。

また、「確定拠出年金(企業型)」のマッチング拠出については増加傾向にあり、「導入済み」が30.2%(2012 年は6.6%)、「導入する方向で検討中」が14.1%(同21.3%)となっています。

 

一方で、「導入の考えはない」とする企業も47.7%(同61.5%)あります。

現在、「確定拠出年金法等の一部を改正する法律案」が国会で提出されており、中小企業を対象とした「簡易型DC制度」の創設等が検討されています。

 

今後の退職金制度の見直しについては、こうした情報も考慮しておきましょう。

 

中小企業における「人材不足」と「人件費高騰」の実態

中小企業白書からみえる人材不足の広がり

政府が2015年版の中小企業白書を閣議決定し、必要な人材確保ができていない企業が約4割に上る現状を示しました。

 

建設業、医療・福祉関連での人手不足が特に目立つようです。

白書では、高い離職率も影響していると分析しています。

 

新卒者の4割以上が3年以内に離職しており、会社規模が小さいほど離職率は高くなっていることがわかります。

 

ベア実施の中小企業も大幅増

今年度に入り、中小企業でも景気回復や人手不足を背景にして、基本給を引き上げるベースアップ(ベア)を実施する動きが広がっているようです。

 

全国の財務局の調査によると、中小企業のうち、今春ベアを実施する割合が37%に達することがわかりました。

ベアを含む何らかの賃上げを実施する企業は89.1%に上り、これまで財務余力に乏しくベアに慎重な空気が強かった中小企業も、景気回復の広がりを受け雇用確保のため、人件費を捻出していることがわかります。

 

「人手不足」関連倒産の傾向は?

人手不足を原因とした企業倒産も、景気が上向きだした2013年から目立ち始め、近年徐々に増加しているようです。

東京商工リサーチの「人手不足」関連倒産の集計によると、主に代表者死亡や入院などによる「後継者難」型が中心ですが、最近は求人しても人が集まらない「求人難」による倒産の増加が目立つそうです。

賃上げによる人材獲得競争はコスト増を招くため中小企業の経営を圧迫しており、人材不足、人件費高騰は中小企業の経営にとって足かせとなっている様子もうかがえます。

 

自社の対策はどうする?

人手不足と人件費高騰の問題は不可分な関係にあります。

 

近年の現状を概観すると、今後は賃上げ以外の措置も含め何らかの措置をとらなければ、人材獲得の点で他社に差をつけられてしまうかもしれません。

自社の現状と時流を見極めながら、雇用確保の面で対策を講じていく必要があるでしょう。

 

平成26年の労働災害発生状況と発生防止の取組み

労働災害発生数が前年を上回る

厚生労働省が平成26年の「労働災害発生状況」を公表し、死亡災害は1,057人(前年比27人・2.6ポイント増)、死傷災害は11万9,535人(同1,378人・1.2ポイント増)、重大災害(一度に3人以上が被災)は292件(同48件・19.7ポイント増)となり、いずれも前年を上回る結果となったことがわかりました。

以上のことから、同省では「第12次労働災害防止計画」(平成25~29年度)の目標である、「死亡災害、死傷災害の15%以上の減少」の達成に向けて様々な対策を実施するようです。

 

労働災害の概要と動向

死亡者数が多い業種は、建設業377人(前年比10.2ポイント増)、製造業180人(同10.4ポイント減)、次いで陸上貨物運送業132人(同23.4ポイント増)となっており、発生状況は、「墜落・転落」による災害263人(同1.1ポイント減)、「交通事故」232人(同0.4ポイント減)、「はさまれ・巻き込まれ」151人(同14.4ポイント増)となっています。

また、死傷者数が多い業種は、製造業2万7,452人(同1.4ポイント増)、商業1万7,505人(同4.0ポイント増)、建設業1万7,184人(同0.03ポイント増)となっており、発生状況は、「転倒」2万6,982人(同4.3ポイント増)、「墜落・転落」2万551人(同1.8ポイント増)、「はさまれ・巻き込まれ」1万5,238人(同0.2ポイント減)となっています。

一度に3人以上が被災した重大事故の発生状況は、「交通事故」147件(同19.5ポイント増)、「中毒薬傷」50件(同22.0ポイント増)、「火災高熱物」14件(同133.3ポイント増)となっています。

 

労働災害防止のための取組み

事故の発生で最も死傷者数の多い転倒災害は、休業4日以上の2割以上を占めているため、平成27年1月から「STOP!転倒災害プロジェクト2015」を実施し、6月の重点取組期間にチェックリストを活用した巡視、点検の実施指導が行われます。

また、交通事故による労働災害は業種を問わず発生していることから、業種の特徴に着目した対策を施し、全国安全週間(準備月間)において警察機関と連携して安全対策の周知を行います。

さらに「危険見つけてみんなで改善 意識高めて安全職場」をスローガンとして、厚生労働省、都道府県労働局から事業場に対して、業種の特性に応じた積極的な労働災害防止活動の実施を働きかけるなど、様々な取組みを展開していくようです。

 

 

知っておきたい!「若年性認知症」の実態と政府の取組み

若年性認知症とは?

認知症というと高齢者の病気と思われがちですが、近年では18歳から65歳未満までの間に発症する「若年性認知症」が増加しています。

若年性認知症の特徴は、初期症状では認知症と気づかず、病院で診察を受けてもうつ病や更年期障害と間違われることもあり、診断が遅れることなどが挙げられます。

そのため、発見や治療が遅れてしまうと脳の機能の低下が進み、症状を改善するのが難しいと言われています。

 

発症後に仕事を続けることの難しさ

若年性認知症の患者は、2009年の厚生労働省の調査結果よると約3万8,000人いると推計されています。

 

特に40歳から60歳の間の世代で発症するケースが多いと言われており、いわゆる働き盛りの世代が発症するため、本人や家族への精神的・経済的負担がかかることで問題となっています。

同省研究班の生活実態調査によると、65歳未満で発症した若年性認知症で就労経験のある約1,400人のうち、約8割が勤務先を自ら退職したり、解雇されたりしたことがわかりました。

 

また、約2割の人は、労働時間の短縮や配置転換、通勤などの配慮が全くなかったと回答しました。

現状では今の職場で働き続けることは困難であっても、企業側が若年性認知症への理解を深め、周囲のサポートや企業で体制を整えることによって、働き続けることが可能であるということが考えられます。

 

どのような支援があるの?

これらの問題を解消するため、現在、若年性認知症の人への障害年金の受給の支援、「若年性認知症コールセンター」の設置、就労継続支援事業への案内など様々な取組みが行われています。

また、政府は今年1月に、新たな認知症対策の国家戦略である「認知症施策推進総合戦略(新オレンジプラン)」を発表しました。その7つの柱の1つとして「若年性認知症施策の強化」が挙げられています。

若年性認知症は、まだ認知度の低いため周囲から理解されにくい病気です。また、生活に不安が生じます。

 

万が一、自分や周りの人が発症した際に備えて、症状に関する知識や支援制度について知っておく必要があります。

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