HRインフォメーション(2015年7月)

東京労働局が公表した労基法・最賃法違反による送検事例

業種別では建設業がトップ

東京労働局から「平成 26年度司法処理状況」が発表されましたが、これによると1年間(平成26年4月~平成27年3月)の間に、東京労働局と管下の18労働基準監督署・支署が東京地方検察庁へ送検した司法事件は54件(前年度比4件減少)だったそうです。

業種別では、建設業(22件)、製造業(9件)、接客業(5件)が上位を占め、違反事項別では、賃金・退職金不払(17件)、死亡災害等を契機とした危険防止措置義務違反(12件)、労災かくしが(11件)が上位を占めました。

以下では、東京労働局が公表した送検事例のうち、労働基準法・最低賃金法違反に関する事例をご紹介します。

 

違反事例(1)

託児所を営むA社は、労働者Bの平成24年1月分賃金(17,250円)および労働者Cの同年2月分賃金(80,690円)の合計97,940円を所定の各賃金支払期日である同年2月29日、同年4月4日に全額支払わず、もって法で定める最低賃金を支払わなかった。

労働者14名が不払賃金(合計約221万6,000円)の行政指導による救済を求め労働基準監督署に申告に及んでいたが、 A社は労働基準監督署の行政指導に従わなかった。

A社の代表者は再三の出頭要求に応じなかったことなどから、逮捕のうえ、送検された。

 

違反事例(2)

パン製造販売業を営む会社のパートタイム労働者3名(時給900円~950円、1日の所定労働時間6時間)に対し、平成25 年12月1日から同月31 日までの間、最長で月 139 時間に達する時間外労働を行わせ、もって時間外労働協定の延長時間の限度を超える違法な時間外労働を行わせていた。

また、同期間、本来支払うべき時間外労働に対する割増賃金のち3割程度しか支払っていなかった (1人当たり最大で約11 万円/月の時間外手当不払が発生していた)。

 

労働局の今後の方針

同労働局では、過重労働による健康障害を発生させた企業等であって違法な長時間労働を繰り返すなど「重大・悪質な労働基準法違反」の事案に対しては、積極的に捜査を行い、送検手続をとる方針とのことです。

 

企業の節税対策について国への報告が義務に!?

2017年度から義務化?

企業が行う節税対策について、2017年度から、税理士やコンサルタント、節税策の提供を受ける企業に対して、国へ報告するよう義務付ける検討が始まりました。

アメリカやカナダ、イギリス、韓国等ではすでに実施されており、日米欧などの34か国でつくる経済協力開発機構(OECD)からも、日本での報告義務付けが求められる動きとなりそうです。

なお、報告を拒む場合は、罰金を科す可能性もあるとのことです。

 

報告義務化の目的

企業の節税対策そのものは、決して悪いことではありません。

 

しかし、それに報告を義務付ける目的としては、以下のことが挙げられています。

・過度な節税対策をけん制する

・国の税収減を緩和する

・企業間の不公平感を和らげる

・国際的な枠組みが整備されつつあるなか欧米諸国と足並みを揃える

 

対象となる節税対策

諸外国の例を挙げると、アメリカでは年間1,000万ドル(約12億円)以上の損失を出した取引、カナダでは資産取得から4年間で実費以上の損失を出した取引、イギリスでは1,000ポンド(約19億円)以上の設備投資に対するリース契約取引などが対象となっています。

日本で対象となるものについては、今後具体的な検討に入る模様です。

 

今後の動き

与党の税制改正の議論の後、早ければ2017年の通常国会で関連法を改正し、同年度にも義務化が始まるという流れになっています。

日本では、資本金1億円以下の中小企業は対象から外す方向のようですが、国際展開する企業や、複数取引のある事業内容であれば、網がかかる可能性もあるようです。

対象となる企業および節税対策がどうなるのか、今後の焦点になりそうです。

 

 

女性活躍推進法案が衆院通過! これから求められる女性活躍支援策

女性活躍推進法がいよいよ成立?

企業や自治体に女性の登用目標などの設定を義務付ける「女性活躍推進法案」が、6月4日、衆院本会議において全会一致で可決されました。

 

参院に送付され、今国会で成立する見通しです。

同法が成立すれば、301人以上の企業は、採用者に占める女性比率や女性管理職比率などの数値や、女性活躍に関する目標や行動計画の公表が義務付けられることとなります(300人以下の企業は努力義務)。

女性が活躍できる企業に優秀な人材が集まる仕組みを作り、さらに女性活躍企業に対する公共調達受注機会の増大を図ることで、女性活用を推進することがねらいです。

 

中小企業では遅れがちな女性の活躍推進

今後ますます『女性活用』が企業の成長・発展のためのキーワードとなることが見込まれますが、中小企業では女性の活躍支援は遅れがちです。

日本政策金融公庫総合研究所の2011年調査では、企業規模が小さいほど女性の勤続年数が短くなることや、転職経験者の割合は規模が小さいほど高くなることが明らかとなっています。

 

すぐにできる女性活躍推進のための取組みとは

それでは、中小企業ではどのような対策をとることが考えられるでしょうか。

中小企業では、若い女性にとっての手本となるような先輩女性が社内にいないことも、活躍の妨げの大きな要因となっています。

 

その対策として、近年では、中小企業で働く女性同士が交流できる場を提供する自治体・経済団体も増えてきました。

中小企業の取組みを考えるうえでは、今年1月9日に政府が発表した「女性が輝く先進企業表彰」も参考になります。

 

大手企業の事例ではありますが、多くの受賞企業が、女性同士がコミュニケーションを図ることのできる場を設けており、仕事で悩んだ時にヨコのつながりで励まし合ったり解決策を相談できたりできるようにすることで効果を上げています。

 

 

「テレワーク」実施企業の現状と課題は?

約1割の企業でテレワーク実施

独立行政法人労働政策研究・研修機構から、「情報通信機器を利用した多様な働き方の実態に関する調査」の結果が公表されました。

近年、「テレワーク」(情報通信技術を活用した場所や時間にとらわれない柔軟な働き方)という言葉を耳にすることも多いかと思いますが、「会社の制度として実施」している割合が3.5%、「上司の裁量・習慣として実施」を含むと13.2%となり、約1割の企業でテレワークを実施しているという結果となりました。

 

実施の目的は?

実施の目的ですが、終日在宅勤務では「家庭生活を両立させる従業員への対応」が50.9%と最も多く、「定型的業務の効率・生産性の向上」「従業員の移動時間の短縮・効率化」がともに43.9%で続いています。

1日の一部在宅勤務では、「従業員の移動時間の短縮・効率化」(55.1%)、「家庭生活を両立させる従業員への対応」(46.9%)。モバイルワークでは、「定型的業務の効率・生産性の向上」(62.6%)、「従業員の移動時間の短縮・効率化」(61.9%)となっています。

 

就業場所・勤務時間管理は?

主な就業場所は、終日在宅勤務・1日の一部在宅勤務では「労働者の自宅」(ともに9割以上)が多く、モバイルワークでは「本社以外の他の事業所」(64.7%)、「移動中の交通機関の中や駅」(64.1%)となっています。

労働時間管理としては、終日在宅勤務・1日の一部在宅勤務で「通常の労働時間制度」(68.4%、64.7%)、次いで「フレックスタイム制」(29.8%、35.3%)となっています。

 

モバイルワークでは「通常の労働時間制度」(73%)、「事業場外みなし労働」(30.9%)となります。

 

問題点・課題点は?

問題点は、終日在宅勤務では「進捗状況などの管理が難しい」(36.4%)、「労働時間の管理が難しい」(30.9%)、「コミュニケーションに問題」「情報セキュリティの確保に問題」(各27.3%)、「評価が難しい」(18.2%)となっています。

 

1日の一部在宅勤務では「労働時間の管理が難しい」(42%)、「コミュニケーションに問題」「情報セキュリティの確保に問題」(各28%)となり、モバイルワークでは、「情報セキュリティの確保に問題」(42.3%)、「労働時間の管理が難しい」(40.3%)、「機器のコストがかかる」(25.5%)となっています。

このように課題も多いですが、今後の展望として、「現状のレベルで維持していきたい」(終日46.4%、一部44.2%、モバイル56.61%)、「拡充していきたい」(終日39.3%、一部36.5%、モバイル23.9%)となっており、テレワークは今後さらに増えていくと思われます。

 

厚労省がパート活躍を後押しする企業を募集・表彰へ

「パートタイム労働者活躍推進企業表彰」を新設

厚生労働省が、パートタイム労働者の活躍推進に取り組んでいる企業等を表彰する「パートタイム労働者活躍推進企業表彰」を新設しました。

パートタイム労働者の待遇や労働環境の改善に向けて他の模範となる取組みを行っている企業や事業所を表彰します。

 

目的は正社員との均等・均衡待遇の推進

制度の趣旨は、パートタイム労働者の働きや貢献に見合った正社員との均等・均衡待遇を推進し、パートタイム労働者がいきいきと働くことができる職場環境を整備するためには、パートタイム労働者の雇用管理の改善に向けた企業の自主的な取組みが重要であるとし、それを後押ししようというものです。

 

企業単位でなく一事業所でもOK

応募の対象は、地域や企業の規模を問わず、パートタイム労働者の活躍推進に向けて取り組んでいる国内の事業所(企業)で、必ずしも全社的な取組みでなくても、一事業所としての応募も可能です(締切りは8月4日(火)17:00必着)。

 

応募資格は労働関係法令に違反がないこと等

応募資格は、

(1)応募時点において、パートタイム労働法の義務規定違反がないこと

(2)パートタイム労働法以外の労働関係法令に関し重大な違反がなく、かつ、その他の法令上または社会通念上、表

  彰にふさわしくないと判断される問題がないこと

(3)表彰を受けた場合、取組内容の公表が可能であること

の3つの要件を満たす事業所(企業)で、応募は「パート労働ポータルサイト」内の「パートタイム労働者活躍推進企業表彰サイト」から応募用紙をダウンロードして行います。

表彰されるためには?

表彰基準は、

(1)パートタイム労働者均等・均衡待遇指標(パート指標)の診断結果が、雇用するすべてのタイプのパートタイム

  労働者に係る取組みにおいて総得点率50%以上であること

(2)パートタイム労働者の活躍に向けて取り組む企業として「パート労働者活躍企業宣言サイト」に取組内容や今後

  の目標等を掲載(宣言)していること

(3)パートタイム労働者の活躍推進に向けた取組み(法定を上回る自主的な取組み)を行い、かつ、実績または成果

  が認められること

で、表彰は「最優良賞(厚生労働大臣賞)」「優良賞(雇用均等・児童家庭局長優良賞)」「奨励賞(雇用均等・児童家庭局長奨励賞)」の3部門で行われます。

 

6/29スタート! 協会けんぽの「届書・申請書作成支援サービス」

変わる協会けんぽのサービス

2014年7月より、協会けんぽでは各種健康保険給付の支給申請書、保険証再交付申請書、任意継続に関する届書等を変更し、現在、旧様式での申請の場合には給付金の支払いの遅延につながることから、ホームページから様式をダウンロード・印刷のうえ、新様式での申請を促しています(印刷できない場合は加入する支部から送ってもらうことも可能)。

この新様式が掲載されているページには、記入例や記入上のポイントも提供されていますので、間違いのない申請実務を進めるうえで参考になります。

さらに、6月29日(月)から、より便利に申請することができるよう、「届書・申請書作成支援サービス」がスタートします。

 

新サービスの利用方法

新サービスでは、協会けんぽのホームページにアクセスし、申請書のデータを呼び出して画面に表示される申請書に直接必要事項を入力・印刷して、申請書を作成することができます。

入力する項目に関する説明を参照しながら入力できるようになっていますので、誤入力を防ぐことができます。

 

また、記入漏れ等も自動でチェックしてくれますので、誤入力・記入漏れによる再提出といったムダを省くこともできます。

申請書に必要事項を入力したら、印刷して加入する協会けんぽの支部に提出します。

 

郵送による提出も可能です。

 

新サービス対応の申請書

現在、新サービスに対応する申請書として掲げられているのは、各種健康保険給付の支給申請書、保険証再交付申請書、任意継続に関する届書等です。

 

詳しくは協会けんぽのホームページでご確認ください。

申請書のご入力や記入漏れによって給付の支払いが遅れたりすると、事務のムダが発生するだけでなく、従業員の方にも影響を及ぼすこととなります。

正確に申請実務を進めるためにも、この新サービスを利用されてはいかがでしょうか。

 

 

「第三次産業」における労災発生状況の特徴は?

第三次産業の労災発生状況

厚生労働省から、「第三次産業における労働災害発生状況の概要(平成26年)」が発表されました。

 

この中から特徴的な傾向について取り上げます。

 

小売業

労働災害は平成21年より増加傾向にあり、平成26年は13,365件(前年比4%増)でした。

事故のパターンとしては、「転倒」が多く(34%)、次いで「動作の反動・無理な動作」(13%)となっており、これだけでほぼ半数を占めています。転倒災害の多くは9~11時台に発生しています。

また、経験年数3年未満の死傷者が全体の45%を占め、50歳以上の災害が約7割を占め、かつ年々増加傾向にあります。

 

さらに、休業見込が1月以上の災害が約6割となっています。

 

社会福祉施設

労働災害が年々急増しており(6年間で1.5倍)、平成26年は7,224件(前年比8%増)となりました。

 

小売業と同様、転倒災害が多く(31%)、9~11時台に発生しており、50歳以上の災害が約7割を占めています。

また、業種の特徴として、介護等に伴う「動作の反動・無理な動作」による災害が34%を占めています。

 

特徴的な、「腰痛」の発生件数は年々増加しており、平成26年は1,023件(前年比3%増)となりました。

 

飲食店

平成26年は4,477件(前年比1%増)ですが、年々増加しています。ここでも「転倒」が28%を占め、続いて職種柄か「切れ・こすれ」(24%)、「高温・低温物との接触」(17%)が続いています。

また、30歳未満の死傷者数が全体の3分の1を占め、9~12時の作業になれていない時間と繁忙時間となる18~20時に発生しやすい傾向にあります。

 

さらにここでも、転倒災害は9~11時台に多く発生し、50歳以上の災害が約6割を占めています。

 

高年齢労働者の災害防止が重要になる

近年、転倒による労働災害が急増している背景には、労働者の高年齢化があります。

 

今回の発生状況を見ても、50歳以上の転倒によるものが目立っており、骨盤・大腿の骨折等により休業日数が長くなることが多いです。

第三次産業では、製造業等に比べると重篤な災害が少ないということから、現場の安全性に対して意識がおろそかになってしまう傾向にありますが、これから労働力人口の一層の高年齢化が見込まれる中、高年齢労働者の転倒災害の防止は一層重要な経営事項になるでしょう。

 

企業のマイナンバー対応の現状と内閣府公表リーフレット

7割の企業で対応が進んでいない

本年10月に迫ったマイナンバーの通知ですが、最近では新聞やテレビなどでもマイナンバー制度開始の話題が取り上げられることが多くなってきました。企業にも早めの対応が求められているところです。

一般財団法人日本情報経済社会推進協会が発表したマイナンバー制度に対する企業の対応状況に関するアンケート結果(回答期間:2015年3月16日~5月20日、回答数:3,386名)によると、2016年1月の制度開始に向けた対応について、「既に取り組んでいる」(3%)と「計画中」(28%)の回答は計31%にとどまり、大半の企業が未着手という結果になったそうです。

 

中小企業、東京以外の企業では準備が遅れている

規模別・地域別で比べてみると、従業員数301人以上の企業、東京地域の企業では約半数が対応に着手し始めているのに対し、100人未満、東京以外の企業では準備が遅れているという結果となっています。

 

これは地方開催のセミナー等が少なく、情報入手が困難という状況によるところも大きいと考えられるようです。

また、未着手の理由としては「何をすべきか分からない」が41%、「制度自体が分からない」が7%となるなど、マイナンバーへの理解がまだまだ進んでいないことがわかります。

 

内閣府が公表したマイナンバーに関するリーフレット

国でも「社会保障・税番号制度ホームページ」としてマイナンバーに関するページを各省庁で設けて情報の周知に努めているようですが、この度、内閣府がマイナンバーに関するリーフレットを作成しました。

 

「概要」と「事業所向け」の構成にわかれており、社内対応や社内研修を行ううえでも参考となる資料となっています。

内閣官房「社会保障・税番号制度ホームページ」をご覧いただくと随時新しい情報や資料がアップされていますので、自社の対応を検討するうえでも参考になることでしょう。

         

自社の対策はどうする?  

マイナンバー対応を行ううえでは、制度の概要や実務への影響などを整理して理解するのはなかなか難しい面もあります。

各種セミナーや書籍等から情報を入手し、自社の現状に合わせて社内スケジュールを組みながら対策を講じていく必要があるでしょう。

 

厚労省が「パワーハラスメント対策導入マニュアル」を公開

パワハラの対策マニュアルを初めて公表

厚生労働省は、企業内でパワーハラスメント対策に取り組む際の参考となる「パワーハラスメント対策導入マニュアル」を初めて作成しました。

マニュアルは同省のホームページでダウンロードできるほか、都道府県労働局や労働基準監督署、労使団体など、全国で5万部が配布されるとのことです。

また、同省では7月からこのマニュアルを活用した「パワーハラスメント対策支援セミナー」を全国約70カ所で無料開催します。

 

規模の小さい会社ほど対策が進んでいない

2012年度に実施された「職場のパワーハラスメントに関する実態調査」によると、80%以上の企業が「職場のパワハラ対策は経営上の重要な課題である」と考えているにもかかわらず、「予防・解決のための取組み」を行っている企業は全体の45.4%となっており、特に従業員数100人未満の企業では18.2%に留まっていることから、従業員規模が小さい企業ほど、対策が進んでいないことが明らかになっています。

 

マニュアルの内容は?

マニュアルは、職場のパワーハラスメントを予防・解決するために、

(1)トップのメッセージ

(2)ルールを決める

(3)実態を把握する

(4)教育する

(5)周知する

(6)相談や解決の場を提供する

(7)再発を防止する

の7つの項目が掲げられています。

これら(1)~(7)の実施を20社の企業が行い、そのフィードバックを参考にポイントや規定例等を盛り込みつつ解説しています。

 

なお、マニュアルには、従業員アンケートのひな形や社内研修用のレジュメ、ハラスメント相談対応者が使う相談記録票などの資料も豊富に収録されています。

 

放置せず予防・解決に向けての取組みを!

職場のパワーハラスメントは、近年、都道府県労働局や労働基準監督署等への相談が増え続けています。

 

また、ひどい嫌がらせ等を理由とする精神障害等での労災保険の支給決定件数が増加しているなど、社会的な問題として表面化しています。

これらの問題を放置した場合には貴重人材を失うばかりでなく、企業側が裁判で責任を問われることもあります。

 

こうした悪い影響や損失を回避するためにも、本マニュアルを活用してパワーハラスメントの予防・解決に向けた取組みを行うべきでしょう。

 

深刻化する「ブラックバイト」の実態は?

「ブラックバイト」とは?

学生のアルバイトに過重な働き方を強要させ、学業等の学生生活に支障をきたしてしまう「ブラックバイト」が深刻化しています。

ブラック企業対策プロジェクトは、昨年7月にアルバイト経験のある大学生に調査を行い、「3割弱の学生が週20時間以上のアルバイト就労」「4人に1人が会社の都合で勝手にシフトを入れられている」「不当な扱いの経験率は7割弱」との実態を公表しました。

これらの他にも、「ノルマの未達成を理由に商品の買い取り」「上司からのパワハラ・セクハラ」などが挙げられており、違法行為が存在している可能性もあるとして問題となっています。

 

学生がアルバイトを辞められない理由とは?

では、なぜこういった事態が起こっているのでしょうか。

理由の1つは、学費の高騰、仕送り額の減少、奨学金制度の不備などによって、多くの学生は、収入がなければ学生生活を送ることが困難な状況になっていることです。

こうした学生の経済事情につけ込み、アルバイトに正社員並みの義務やノルマを課したり、違法な労働をさせたりする企業が増加しています。

また、学生の責任感の強さを利用してあえて重い責任の仕事を与えたり、職場での人間関係を密にしてバイト先を学校以上の居場所にさせたりといったことが意図的に行われている場合もあります。

 

最新の動向は?

厚労省は4月から、学生がアルバイトをする際にトラブルに巻き込まれることがないよう、労働基準法などに関する知識を持ってもらう「アルバイトの労働条件を確かめよう!」というキャンペーンを始めました。

また、大学生の労働相談を受け付ける労働組合「ブラックバイトユニオン」は、アルバイト先で不当な扱いを受けた際には労働組合や弁護士等に相談するよう呼びかけ、トラブルに遭った際には給与明細やメモ、録音データ等の証拠を残すことを解決策として挙げています。

最近では、厚労省が学習塾業界に適正に賃金を支払うよう異例の要請をしていたことがわかりました。

 

「講師の授業前後の賃金が払われていない」等の相談が相次いでおり、業界全体で改善に取り組むよう求めています。

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