HRインフォメーション(2016年11月)

二次補正予算が成立! 新たに創設される助成金は?

厚労省関係の予算は5,698億円

10月11日に臨時国会で平成28年度の第二次補正予算が成立しました。

今回の補正予算は特別会計を含めると4兆5,221億円となっており、「災害対策」や「低所得者への現金給付」等が盛り込まれています。

このうち厚生労働省関係の予算は5,698億円(うち特別会計52億円)ですが、働き方改革の実現や介護人材の確保、介護離職防止の推進等が盛り込まれた「一億総活躍社会の実現の加速」という項目が約78.6%(4,477億円)を占めているのが特徴です。

 

助成金関連予算の内容は?

助成金の関連予算では以下の内容が盛り込まれています(支給要件の詳細等については今後、厚生労働省から発表される予定です)。

(1)保育関連事業主に対する職場定着支援助成金の拡充(制度要求)

 保育事業主による「魅力ある職場づくり」のための雇用管理改善の取組について助成の拡充を行うものです。

(2)介護離職防止支援助成金(仮称)(11億円)

 仕事と介護の両立に資する職場環境整備に加え、労働者の円滑な介護休業の取得・職場復帰や介護のための時差出勤

 制度などを実現した事業主を支援するものです。

(3)生活保護受給者等を雇い入れる事業主への助成措置の創設(制度要求)

 ハローワーク等の紹介により、継続して雇用する労働者として生活保護受給者等を新たに雇い入れた事業主に対し、

 助成金を創設するものです。

(4)65歳超雇用推進助成金(仮称)の創設(6.8億円)

 65歳以上への定年の引上げ、定年の廃止、希望者全員を対象とする66歳以上の継続雇用制度の導入のいずれかの措

 置を実施した場合に当該措置の内容に応じて一定額を助成する65歳超雇用推進助成金(仮称)を創設するものです。

(5)キャリアアップ助成金の拡充(制度要求)

 中小企業において有期契約労働者等の賃金規定等を改訂し、3%以上増額した場合、生産性向上を加味して助成額の

 加算を行うものです。

(6)熊本地震からの復旧・復興としての地域雇用開発助成金の拡充(制度要求)

 熊本県において事業所を設置・整備し、地域に居住する求職者等を雇い入れる事業主に対し助成を行う特例メニュー

 を創設するものです。

 

職場での旧姓使用は可か否か ~東京地裁判決から考える

女性教諭の訴えを棄却

私立中学・高校の30代の女性教諭が、結婚後に職場で旧姓使用が認められず人格権を侵害されたとして、学校側に旧姓の使用と約120万円の損害賠償を求めた裁判の判決が10月11日に東京地裁であり、「職場で戸籍上の氏名の使用を求めることには合理性、必要性がある」として、教諭の請求を棄却しました。

 

生徒からは旧姓で呼ばれていたが…

女性教諭は2003年から同校に勤務し、2013年7月に結婚、改姓。学校側には旧姓の使用を認めるよう申し出ましたが、学校側は旧姓の使用を認めませんでした。

この女性教諭は、現在はやむなく時間割表や保護者への通知などには戸籍名を使用しているそうですが、教室内では旧姓を名乗り、生徒の多くからも旧姓で呼ばれているとのことです。

 

判決は「戸籍名の使用に合理性」

判決では、旧姓について「結婚前に築いた信用や評価の基礎となる」と述べ、その使用は法律上保護されると位置付けています。

一方で戸籍名については、「戸籍制度に支えられたもので、個人を識別するうえでは旧姓よりも高い機能がある」とし、今回のように、職場の中で職員を特定するために戸籍名の使用を求めることには合理性があると結論付けました。

 

旧姓使用は社会に根付いていない?

原告側弁護士は「現代の社会の実情が見えていない判決だ」と批判し、控訴する意向です。

今回の判決は、男性裁判官3人が判断したもので、旧姓を使える範囲が社会で広がる傾向にあることは認めつつも、「既婚女性の7割以上が戸籍名を使っている」とする新聞社のアンケート結果や、旧姓使用が認められていない国家資格が「相当数」あることを理由として、「旧姓を戸籍名と同様に使うことが社会で根付いているとは認められない」と結論付けました。

 

国会での議論は進まないまま

旧姓使用をめぐっては、昨年12月の最高裁大法廷判決が夫婦同姓を「合憲」と判断しています。

一方、結婚後の姓の問題については「国会で論じ、判断するものだ」ともしましたが、国会での議論はその後進んでいません。

個人を識別するうえで、旧姓より戸籍上の姓のほうが、本当に合理性があるのか、行政では住民票の写しやマイナンバーカードへの旧姓併記も検討され、「女性活躍」が唱えられる中で時代に逆行するのではないか、判決を受けて再び議論が高まりそうです。

 

 

平成27年度における民間企業の給与の実態は?

調査の概要

「民間給与実態統計調査」は、国税庁により昭和24年分から調査が始まり、以後毎年実施されており今回が第67回目に当たります。

この調査は、統計法に基づく基幹統計「民間給与実態統計」の作成を目的とする調査であり、民間の事業所における年間の給与の実態を、給与階級別、事業所規模別、企業規模別等に明らかにし、併せて、租税収入の見積り、租税負担の検討および税務行政運営等の基本資料とすることを目的としています。

 

調査結果のポイント

(1)給与所得者数

 給与所得者数は4,794万人で、前年に比べ0.8%増加しています。男女別にみると、男性2,831万人、女性1,963万人

 で、前年比で男性は0.9%の増加、女性は0.6%の増加となっています。

 正規・非正規についてみると、正規3,142万人、非正規1,123万人で、前年に比べ、正規は1.2%の増加、非正規は

 3.0%の増加となりました。

(2)給与総額

 給与総額は201兆5,347億円で、前年に比べ2.1%増加しています。男女別では、男性147兆3,750億円、女性54兆

 1,597億円で、前年比で男性は2.1%の増加、女性は2.0%の増加となっています。

 正規・非正規についてみると、正規152兆3,442億円、非正規19兆1,462億円で、前年に比べ、正規は2.7%の増

 加、非正規は3.5%の増加となっています。

(3)平均給与

 年間の平均給与は420万円で、前年に比べて1.3%増加しています。男女別にみると、男性521万円、女性276万円

 で、前年比で男性は1.2%増加、女性は1.4%増加しています。

 正規・非正規別では、正規485万円、非正規171万円で、前年に比べ、正規は1.5%の増加、非正規は0.5%の増加と

 なっています。

(4)業種別の平均給与

 平均給与を業種別にみると、最も高いのは「電気・ガス・熱供給・水道業」の715万円、次いで「金融業,保険業」

 の639万円となっており、最も低いのは「宿泊業,飲食サービス業」の236万円でした。

(5)納税者数および税額

 給与所得者4,794万人のうち、源泉徴収により所得税を納税している者(納税者)は4,051万人で、その割合は

 84.5%でした。

 また、税額は8兆8,407億円で、納税者の給与総額に占める税額の割合は4.70%という結果となっています。

 

 

労務面で問題の多い運送事業者における法違反等の状況

約85%の事業場で法令違反!

厚生労働省から、トラック、バス、タクシーなどの自動車運転者(ドライバー)を使用する事業場に対して行われた監督指導や送検の状況(平成27年)が公表されました。

監督指導が行われた事業場は3,836事業場あり、このうち、労働基準関係法令違反が認められたのは3,258事業場(84.9%)、改善基準告示違反が認められたのは2,429事業場(63.3%)となっています。

 

監督指導等の状況

監督が実施された事業場数の内訳は、トラック:2,783、ハイヤー・タクシー:486、バス:226、その他:341で、どの業種でも80%以上の違反率となっており、主な違反事項としてはどの業種においても「労働時間」「割増賃金」「休日」の順で多く指摘されています。

また、改善基準告示違反では、「最大拘束時間」「総拘束時間」「休息時間」「連続運転時間」「最大運転時間」の順で多く指摘されています。

重大または悪質な労働基準関係法令違反による送検件数は60件となっており、特にトラックは送検件数が上昇傾向にあり、他の業種が減少傾向にあるのとは対照的です。

 

省庁間の連携による監督指導

以前から、労働基準監督機関と地方運輸機関が、その臨検監督等の結果(改善基準告示違反等)を相互に通報する取組みが行われていますが、労働基準監督機関が通報を受けた件数は年々増加しています(平成25年:256件→平成27年:376件)。

反対に、労働基準監督機関から通報した件数は減少しているようですが、通報件数自体が821件(平成27年)と多く、「労基署の監督だから大丈夫」といった考えは通用しないでしょう。

 

経営の改善には労務面の取組みも重要

ドライバーについては長時間労働の実態が常態化しており、脳・心臓疾患の労災請求件数および認定件数が最も多い職種です。

運送業では「人手不足」に悩む会社が特に多くなっていますが、福利厚生やコンプライアンス面を整備していかないと満足な採用につなげられない時代となりました。

仕事内容や運賃の見直しなどの財務面と併せて、労務面の課題にも積極的に取り組む必要があると言えるでしょう。

 

 

女性、高齢者、外国人…「全員参加型社会」に関する従業員の意識

ダイバーシティ推進の時代

人材不足が叫ばれる現在、労働力の確保の観点などから、女性や高齢者、外国人を積極的に採用・活用していこうという流れにあります。

ダイバーシティを進めていくうえで、企業としては実際に働く社員はどのように感じているのかが気になるところだと思います。

そういった意味では、独立行政法人労働政策研究・研修機構が昨年11月から12月にかけて行った「第7回勤労生活に関する調査」の結果が参考になるのではないかと思われます(調査概要:全国20歳以上の男女4,000人が対象。有効回答数2,118人)。

 

「上司が女性でも抵抗感なし」が大多数

まず、「女性の職場進出がもっと進むこと」については、86.4%の人が抵抗感を感じておらず(「抵抗を感じない」「あまり抵抗を感じない」の合計)、男女別でも差が見られませんでした。

また、「女性が会社の社長になること」(抵抗感がない:88.1%)、「女性の管理職がもっと増えること」(同:87.5%)、「女性の上司が男性の部下を使うこと」(同:83.1%)、「大事な商談の担当者(契約相手)が女性であること」(同)87.2%)という結果になっています。

そして「男性が育児休業をとること」については70.6%の人が「抵抗感がない」としていますが、男女別でみると差が出ています(男性の抵抗感:32.5%、女性の抵抗感:22.1%)。

 

「いくつになっても働きたい」が大多数

年金がもらえるようになった高齢者の就労に関して、「健康であれば年齢に関係なく働ける社会にしたほうがよい」と回答(「非常にそう思う」「ややそう思う」の合計)した割合が92.1%と大多数を占めました。

本人が高齢になり、年金が支給されるようになっても働き続けたいかとの質問については、「働く意欲あり」とする割合が75.8%(「働きたい」「どちらかといえば働きたい」の合計)となり、「働く意欲なし」とする割合の21.8%(「働きたくない」「どちらかといえば働きたくない」の合計)を大きく上回る結果となっています。

 

外国人受け入れの抵抗感は低い

「職場で外国人の同僚と一緒に働くこと」については75.3%の人が「抵抗感がない」(「抵抗感を感じない」「あまり抵抗を感じない」の合計)としています。

 

また、「外国人が日本人よりも良い仕事に就くこと」については抵抗感がない人が71.0%という結果となっています。

この調査結果を見る限り、女性、高齢者、外国人労働者を採用・活用していくことについて、従業員の意識は高い(ハードルは低い)と言えるのではないでしょうか。

 

「労働時間管理」をめぐる役員の責任と求められる対応

過労死の責任を問う全国初の「株主代表訴訟」が提起

銀行の行員だった男性が過労からうつ病を発症し、投身自殺をした事件で、男性の妻が銀行を訴え、熊本地裁は、銀行が注意義務を怠り、行き過ぎた長時間労働をさせたと認定し、慰謝料など1億2,886万円の支払いを命じました(2014年10月)。

 

同事件では、労働基準監督署が発症直前の時間外労働時間が207時間に及んでいたと認定していました。

そして今年9月、この妻が、銀行の株主としての立場で、当時の役員ら11人に対し、過労死を防ぐ体制づくりを怠り銀行に損害を与えたとして、約2億6,400万円の損害金の支払いを求める株主代表訴訟を提起しました。

 

株主代表訴訟で追及される役員の責任とは?

役員は、会社に対し忠実義務を負っており(会社法355条等)、違反すると任務懈怠責任(会社法423条1項)を負います。

株主代表訴訟では、役員の任務懈怠により会社が損害を被ったとして責任追及がなされますが、過労死や過労自殺について任務懈怠責任を問う株主代表訴訟は初めてとのことです。

過労死・過労自殺で役員個人の責任を認めるケースが相次ぐ

従業員の過労自殺について役員個人の責任を認めた事件として有名なのが、2011年5月の大庄(日本海庄や)事件における大阪高裁判決です。

 

同事件は、役員の第三者に対する損害賠償責任を定める会社法429条1項の規定が、過労死・過労自殺の事案でも適用されることを明らかにしました。

2015年12月に和解が成立したワタミ過労自殺訴訟でも、原告側によれば、和解条項で、創業者について「最も重大な損害賠償責任を負う」ことを確認しています。

経営者による長時間労働の放置は、厳しい責任追及の対象となり得ると言えるでしょう。

 

自社の「働き方改革」を検討してみませんか?

NTTデータ経営研究所/ NTTコムオンライン・マーケティング・ソリューションの調査によると、長時間労働の抑制に取り組む企業の割合が2015年の「22.2%」から2016年の「32.1%」に増加し、既に多くの経営者が長時間労働の是正に向けて動き出しています。

所定外労働時間の削減や有給休暇の取得促進に取り組む中小企業事業主は、厚生労働省の職場意識改善助成金(職場環境改善コース)を受給できる場合がありますので、利用を検討してみてはいかがでしょうか。

 

 

従業員の「若年性認知症」と企業の対応

「若年性認知症」への対応は今後の大きな課題

判断力が鈍くなった、何度も同じことを繰り返し聞くようになった――「もしかしたら『認知症』かもしれない」、そんな社員はいませんか?

65歳以上の発症を「認知症」、65歳未満の発症を「若年性認知症」と言います。特に若年性認知症は、職場や家庭で様々な役割を担う働き盛りの年代で発症することが多い(2009年の厚生労働省推計では、平均発症年齢は51.3歳)一方で、就労経験のある若年性認知症患者の約8割が離職(厚生労働省「患者生活実態調査」2014年)を余儀なくされ収入源を絶たれるなど、影響は深刻です。

65歳までの雇用義務化で働くシニア層が急増する中、「社員が認知症になったらどう対処するか」は、今後、企業にとっての大きな課題となると言えます。

 

大切なのは「早期発見」と「適切な対処」

若年性認知症の場合、認知症への知識不足(「この年で認知症になんてなるはずがないし、物忘れは加齢のせい」)や、認知症と診断されるリスクへのおそれ(「認知症だと診断されたら、働き続けることができない」)などから、医療機関の受診が遅くなりがちです。

しかし、認知症は、早期に適切な治療を受けることによって症状の進行を抑えられることもあります。特に職場では、普段と違う行動や言動の変化にも気がつきやすいと考えられますので、「あれっ?」と思った時に医療機関につなげてあげることが肝要です。

また、認知症との診断を受けたとしても、疲労に配慮して就労時間を短くしたり、業務内容を変えたりする(正確性が強く求められる業務は難しいが、比較的単純な労務作業であれば継続が可能)など、職場の対応いかんにより長く働き続けることができる可能性も高まります。

このような適切な対処によりコミュニティに参加し続けることは、進行を遅らせることにもつながります。

 

活用したい「若年性認知症支援コーディネーター」

厚生労働省は今年度から、都道府県に「若年性認知症支援コーディネーター」を配置しています。

 

職場に対しては、勤務調整や就労継続のためのアドバイスをするほか、職場復帰のための支援もしてくれますので、ぜひ活用したい存在です。

 

 

増加する「障害者雇用」の現状と今後の課題

増える障害者雇用

国による障害者雇用対策が講じられている中で、障害者の就職件数は年々増加しています。

厚生労働省の「平成27年度 障害者の職業紹介状況等」の調査でも、ハローワークを通じた障害者の就職件数は平成26年度の84,602件から大きく伸びて90,191件(対前年度比6.6%増)となり、7年連続で増加したと公表されています。

特に、最近は精神障害者の就職件数が大幅に増加しているようです。

 

法定雇用率達成の企業はまだ少ない

一方、エン・ジャパン株式会社が実施した「障がい者雇用」についてのアンケート調査(回答233社)によると、従業員数50名以上の企業で法定雇用率(2.0%)を「達成している」と回答したのは約31%だったそうです。

その他は、「雇用しているが雇用率は未達成」が31%、「50名以上の企業だが雇用していない」が38%となり、法定雇用率を達成している企業が大半を占めるとは言えない状況です。

平成27年の厚生労働省の調査でも、法定雇用率達成企業の割合は 47.2%と公表されており、その割合は増加しているものの、障害者の雇用が十分に進んでいるとは言えない状況です。

 

仕事内容や環境面の整備に課題を持つ企業が多い

上記のエン・ジャパン社のアンケート調査では、実際に雇用している職種や分野について尋ねたところ、「事務」(54%)および「軽作業」(37%)との回答が多くなっています。

また、雇用上の課題や懸念点として、「適した仕事があるか」「法定雇用率の達成」「「設備・施設・機器など安全面の配慮」「周囲の社員の、障害への理解」などが挙げられており、仕事の内容や職場の環境面の整備に課題感を持つ企業が多いことがわかります。

 

採用後の体制まで含めた対応が必要に

最近は障害者へのパワハラ事案について報道されることも多く、職場内の障害者へのハラスメント、嫌がらせについて問題になっています。

企業側の雇用動機は様々ですが、今後、障害者雇用を推し進めていくうえでは、採用後の社内体制まで含めて障害者雇用に対する考え方を変化させていく必要がありそうです。

 

 

初の「過労死等防止対策白書」 その内容とは?

法施行後、初の白書

政府は、平成26年に施行された「過労死等防止対策推進法」に基づき、年次報告書「過労死等防止対策白書」を初めて公表しました。

この白書は、業界ごとの長時間労働の現状や過労死等の実態を解明するための調査研究、平成27年度に行われた過労死等防止対策の取組み、民間団体の活動等が記載されており、過労死や過労自殺の現状や防止策などを280ページにわたってまとめられています。

 

「残業80時間超」企業の割合は?

企業へのアンケート調査によると、1年のうち1カ月の時間外労働時間が最も長かった正規雇用従業員について、過労死ラインとされる時間外労働時間月80時間を超えると回答した企業は22.7%でした。

業種別に見てみると、「情報通信業」(44.4%)が最も多く、「学術研究、専門・技術サービス業」(40.5%)、「運輸業、郵便業」(38.4%)が続いています。

また、残業の発生する理由としては、「業務量が多い」「人員不足」「業務の繁閑の差が激しい」「顧客からの不規則な要望に対応する必要がある」等を挙げる企業が多くなっています。

労働者への「残業時間別の疲労度蓄積度、ストレスの状況」の調査では、残業時間が長いほど「疲労蓄積度」と「ストレス」が高いと判定される割合が多く、正社員の36.9%が高ストレスと判定されたことがわかりました。

 

現状を知るためには周知・啓発が必要

白書の第3章では、過労死等の防止のための対策の実施状況が報告されています。

労災認定事案等の分析や、ポスター、パンフレット・リーフレット、新聞広告、Web広告、Webサイト等による周知・啓発、相談体制の整備等の実績を報告しています。

なお、厚生労働省のホームページでは「過労死等防止対策白書」のダウンロードが可能であり(http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000138529.html)、10月下旬からは政府刊行物センターなどで販売予定とのことです。

 

 

「配偶者控除の存続・廃止」の議論で家族手当が変わる?

配偶者控除、一転して存続へ

政府・与党は、「働き方改革」の一環として議論が進めてられていた所得税の配偶者控除廃止について、来年度は見送りにすることを決定しました。廃止から一転、対象範囲を広げるべきという議論も出てきています。

現時点でこの「配偶者控除」の先行きは不透明ですが、これが企業に与える影響について考えてみましょう。

 

会社員の妻の多くは「103万円の壁」にあわせてパートに出ている

会社員の妻がパートなどで収入を得ると、年収に応じて以下のものが発生します。

・100万円以上:住民税が発生

・103万円以上:所得税が発生(夫の配偶者控除がなくなる)

・106万円以上:一部に社会保険料が発生(今年10月以降、一定要件を満たす者のみ)

・130万円以上:全員に社会保険料が発生

・141万円以上:夫の配偶者特別控除がなくなる

 

今回議論されているのが年収103万円以上の部分で、いわゆる「103万円の壁」です。

パートとして働く「会社員の妻」の多くが、この「103万円の壁」を超えないよう調整しているのは周知の通りです。

 

多くの企業も「103万円の壁」に合わせて配偶者手当を支給

一方で企業側も、「103万円の壁」に合わせて家族手当(配偶者手当)を支給しています。

人事院の「平成27年 職種別民間給与実態調査」によると、家族手当を支給している企業のうち半数以上(約58.5%)が、手当を支給する従業員の配偶者の収入を「103万円」までに制限しています。

年末調整において、従業員の配偶者の収入が103万円の上限を超えていないか、容易に確認できるからです。

 

配偶者控除に影響されない家族手当の議論

将来的に配偶者控除が廃止されるにせよ、逆に対象範囲が拡大されるにせよ、「103万円の壁」を基準として家族手当(配偶者手当)の額を定めている多くの企業はその基準を失うこととなります。

すでにトヨタ自動車やホンダといった企業が扶養配偶者への手当を廃止し、その分子供への手当を増額すると発表しています。

従来のままの家族手当制度を見直すべき時期に来ているのかもしれません。

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