HRインフォメーション(2017年5月)

「副業・兼業」をめぐる企業の実態とこれからの対応

「働き方改革実行計画」が公表

3月28日に政府・働き方改革実現会議から「働き方改革実行計画」が示され、主な項目として、

 

(1)同一労働同一賃金など非正規雇用の処遇改善

(2)賃金引上げと労働生産性向上

(3)罰則付き時間外労働の上限規制の導入など長時間労働の是正

(4)柔軟な働き方がしやすい環境整備等

 

が挙げられており、法改正を含めた今後の動向に注目が集まっています。

上記の項目のうち、(4)柔軟な働き方がしやすい環境整備の1つとして「副業・兼業の推進」がありますが、「副業・兼業」について、現在の企業の対応はどのようになっているのでしょうか。

禁止している企業の割合は?

3月14日に経済産業省から「多様で柔軟な働き方に関する3研究会報告書」が公表されましたが、この中の「兼業・副業を通じた 創業・新事業創出に関する研究会 提言書」によると、兼業・副業を禁止している企業の割合は77.2%でした。

また、「就業規則において禁止している」企業が48.0%、「兼業・副業に関する規定自体ない」企業が39.6%(2017年2月/リクルートキャリア社調べ)となっています。

 

メリットとリスクの両面から考える

上記の通り、副業・兼業については否定的な企業、または(容認しない前提で)規定自体がない企業が多いのが現状です。

副業・兼業については「社員の能力の成長を促すことができる」「社内では作ることができない人脈を作ることができる」といったメリットが強調されていますが、社内情報流出や個々人の労働時間の増加といったリスクもあります。

今後、厚生労働省のモデル就業規則が兼業・副業について「原則容認」とする方向で改定され、推進に向けたガイドラインが策定される予定となっていますが、企業としてはメリットとリスクの両面を勘案し、社員の副業・兼業に対してどのようなスタンスで臨むのか(認めるのか・認めないのか)、今から十分に検討しておくことが必要です。

 

「技能実習」に関する改正法が11月施行

    ~介護職種を追加するとともに監督を強化

外国人技能実習機構を新設へ

政府は、外国人技能実習制度の範囲に「介護職」を加えるとともに、制度に基づき日本国内の企業や農家で働く外国人への人権侵害に対する罰則を設け、受け入れ先への監督を強化する技能実習適正化法の施行日を11月1日と定める政令を閣議決定しました。

受け入れ先の企業が今年1月に新設された認可法人「外国人技能実習機構」に実習計画を提出し、認定を受ける新制度が始まります。

また、政府は、外国人の在留資格に「介護」を新設する出入国管理及び難民認定法の改正法を9月1日に施行することも決めました。

実習生の増加とともに違法就労も拡大

「外国人技能実習制度」は、海外に日本の技術を伝える国際貢献を目的として、1993年に始まりました。

安倍政権は製造業などでの人手不足を補うために受け入れを進め、5年ほど前の15万人程度から、昨年6月末時点では過去最多の21万人に達しています。

ただ、低賃金で長時間労働を強いる「安価な労働力」となっているという批判もあり、長時間労働など労働基準法に違反する職場や、労災事故が増加している現場に対しての監督強化も課題となっていました。

受け入れ対象は拡大、違法就労への監督は強化し罰則も

施行される法律のポイントは、以下の通りです。

(1)実習生の受け入れ先を監督する外国人技能実習機構を新設する

(2)実習生ごとに実習計画をつくり、機構が内容をチェックする

(3)実習生の人権を侵害する行為への罰則を設ける

(4)実習生の受け入れ期間を最長3年から5年に延長する

受け入れ先の企業や団体を監督する「外国人技能実習機構」を新設し、受け入れ先は機構に実習計画を示し、認定を受けることが求められます。

入管法等の改正も9月に施行

また、改正入管法を9月に施行し、介護の現場で外国人がより多く働けるようにするため「介護」の在留資格を新たに設け、日本で介護福祉士の資格を得た人が対象となります。

一方、技能実習生として入国してまもなく実習先から逃亡し不法滞在する事例も増えているため、在留資格の偽装の取締り策を強化し、違反者には懲役や罰金が科されるようになります。

下請法のポイントと法違反対策 ~下請Gメンが動きだした!

「下請法」とは?

下請法は、正式名称を「下請代金支払遅延等防止法」といい、下請取引の公正化・下請事業者の利益保護を目的としています(下請法第1条)。

下請法の対象となる取引は、事業者の資本金規模と取引の内容で定義されています。

 

大まかにいうと、事業を発注する「親事業者」とそれを引き受ける「下請事業者」があり、親事業者の一方的な都合により、発注後に下請代金が減額されたり、支払いが遅延したり、納品物の受領拒否がないようにしたりするために制定された法律です。

【親会社の義務】

 ・書面の交付義務:発注の際、ただちに3条書面を交付すること

 ・支払期日を定める義務:下請代金の支払期日を給付の受領後60日以内に定めること

 ・書類の作成・保存義務:下請取引の内容を記載した書類を作成し、2年間保存すること

 ・遅延利息の支払義務:支払が遅延した場合は遅延利息を支払うこと

【主な禁止事項】

 ・受領拒否:注文した物品等の受領を拒むこと

 ・下請代金の支払遅延:下請代金を受領後60日以内に定められた支払期日までに支払わないこと

 ・下請代金の減額:あらかじめ定めた下請代金を減額すること

 ・返品: 受け取った物を返品すること

 ・買いたたき: 類似品等の価格又は市価に比べて著しく低い下請代金を不当に定めること

 ・購入・利用強制: 親事業者が指定する物・役務を強制的に購入・利用させること

下請取引の現況

公正取引委員会の運用状況(2016年度上半期(4~9月))によると、下請法に違反した親事業者を指導した件数は3,796件と昨年度の上半期に比べ433件増え、過去最多となっています。

また、「指導」より重く、事業者名を公表する「勧告」は3件で、昨年度上半期を1件上回りました。

 

下請法違反対策への取り組み

経済産業省と中小企業庁は、昨年12月より下請法の運用を厳しくしています。

 

また、今年1月からは、取引調査員(下請Gメン)を配置し、年間2,000件以上の下請中小企業を訪問して違反がなかったかを調べる取り組みを始めました。

企業(親事業者)には、下請事業者が泣き寝入りすることのないような取引が求められます。

 

 

初めての勤務先を辞める理由と辞めさせないためのフォロー研修

今年の新人は早期離職傾向?

日本生産性本部による今年の新人社員のタイプ(タイプ分け自体の是非はともかく)は『ポケGO型』で、はじめは熱中して取り組むけれども、飽きやすい傾向も(早期離職)あるとのことです。

新人社員研修として、「社会人の心構え」「ビジネスマナー」「会社の仕組みやルール」を内容とする会社が多いと思いますが、最近では、新人が自分を振り返り、情報を共有することができるように「新人社員フォロー研修」を行い、早期離職防止に役立てようという企業も多いようです。

初めての勤務先を辞める理由は?

「若年者の能力開発と職場への定着に関する調査」(JILPT)では、「初めての正社員勤務先を離職した理由」として、長時間労働、採用時に聞いた労働条件と現実とが異なることを挙げる人が多いことがわかりました。

残業代の不払い、人手不足、希望した日に有給休暇が取れないなどといった職場でのトラブルの経験者が離職するが傾向にあり、女性では「結婚・出産・育児・介護を理由に辞めるよう言われた」人の86.8%が、男性では「暴言・暴力・いじめ・嫌がらせ」を受けた人の49.5%がその後離職しています。

また、離職者には、採用後3カ月間に指示が曖昧なまま放置され、何をしたらよいかわからなかったり、先輩社員と同等の業務を初めから任せられたりした人が多く、歓迎会を開いてもらったり、他事業所・他部署の人に紹介されたりした場合には勤続傾向が高まるようです。

こうしたことから、入社後3カ月程度の職場に対する不満が現れてくる時期や、ある程度仕事に慣れてきた“中だるみ”の時期(入社後半年程度)にフォロー研修を行う会社が多いようです。

一方、若い女性社員層では「わからないことがあったとき自分から相談した」「希望の仕事内容や働き方を伝えた」「働きぶりに意見・感想を求めた」場合に、むしろ離職傾向が高まるとの結果も出ています。

これは積極性の現れではなく、すでに離職の考えが顕在化している状態と見たほうがよいということでしょう。

満足度の高い上司からの指導内容は?

また、上司の指導や支援についての満足度に関する調査(JILPT)では、「仕事のやり方について助言してくれる」「仕事に必要な知識を提供してくれる」「現在の仕事について相談に乗ってくれる」といった点について、部下の満足度が高い結果となっています。

いずれにしても、コンプライアンスとともに上司や先輩社員からのコミュニケーションをとることが大切ですが、率先して進めることができる“場”を作ることが重要な経営課題の1つと言えるでしょう。

 

中小企業もトライしたい!「健康経営優良法人認定制度」

注目が集まる「健康経営」

今、「健康経営」が注目を集めています。

健康経営とは、従業員の健康管理を「コスト」ではなく「投資」として捉え、積極的に従業員の健康管理・増進に取り組んでいくというもので、従業員の活力向上や生産性アップ、企業のブランドイメージの向上などの効果が期待されています(「健康経営」はNPO法人健康経営研究会の登録商標です)。

国も積極的に健康経営を推進しており、経済産業省が東京証券取引所と共同で実施する「健康経営銘柄」や協会けんぽ(東京支部)の健康企業宣言、厚生労働省の安全衛生優良企業公表制度などがあります。

今回は「健康経営優良法人認定制度」についてご紹介いたします。

「健康経営優良法人認定制度」とは?

この「健康経営優良法人認定制度」とは、経済産業省が主導となり、優良な健康経営を実践している大企業や中小企業等の法人を顕彰する制度です。

健康経営に取り組む優良な法人を「見える化」することで、従業員や求職者、関係企業や金融機関などから「従業員の健康管理を経営的な視点で考え、戦略的に取り組んでいる法人」として社会的に評価を受けることができる環境を整備することを目的としています。

大企業だけでなく、中小企業も認定の対象となっており、今年2月21日に、2017年度の認定法人として大規模法人部門235法人・中小規模法人部門95法人が認定されました。

認定を受けた法人には、金融市場(低金利融資や従業員向け住宅ローンの優遇)や労働市場における優先的マッチング、入札加点等におけるインセンティブが付与されるよう、地域に応じた支援環境を整備していくとしています。

認定の基準はどうなっているのか?

中小企業に対する認定基準は、健康経営銘柄の評価の視点をベースに、全国各地の類似制度を参考に設定されており、以下の項目などについて、14の評価項目が定められています。

(1)経営理念(経営者の自覚)…健康宣言の社内外への発信及び経営者自身の検診受診

(2)組織体制…健康づくり担当者の設置

(3)制度・施策実行…従業員の健康課題の把握と必要な対策の検討(定期検診受診率、ストレスチェックの実施な

           ど)、健康経営の実践に向けた土台づくりとワークエンゲイジメント(適切な働き方実現に向

           けた取組みなど)、従業員の心と身体の健康づくりに向けた具体的対策(メンタルヘルス対策

           など)

(4)評価・改善(保険者との連携)

(5)法令遵守・リスクマネジメント

 

年金・健康保険手続におけるマイナンバー利用に関する最近の動き

今年1月よりマイナンバー利用開始

日本年金機構と協会けんぽ、健康保険組合では、平成29年1月からマイナンバーを利用しており、各種申請書にもマイナンバー記入欄が設けられています。

その他、年金事務所で年金相談・各種照会を行う際には、基礎年金番号がわからなくてもマイナンバーを提示すれば対応してもらえる等、変更点があります。

申請書へのマイナンバー記入の要否

年金関係の届書は、1月以降、順次マイナンバーの記入が求められています。

具体的には、1月から「年金受給権者現況届」に、4月から「年金請求書等」「扶養親族等申告書」に記入することとなっています。

ただし、日本年金機構に提出する「被保険者資格取得届」には基礎年金番号を記入し、マイナンバーは記入しないこととされているのでご注意ください。

健康保険では、「任意継続被保険者被扶養者(異動)届」への被扶養者のマイナンバー記入以外は、任意とされています。

「情報連携」は10月から本格運用開始?

7月からは、マイナンバー制度を使って国や自治体がデータをやり取りする情報連携の本格運用開始が予定されていましたが、政府は3月17日に3カ月の延期を発表しました。

情報連携が開始されれば、行政サイドでの関係各機関への照会等により申請者に関する情報を確認することで申請者自身は各種証明書等を提出しなくてもよくなるため、残念なニュースです。

健保組合はマイナンバー利用システムに反発

さらに、健康保険では、マイナンバーを利用して給付申請者の所得や扶養家族、他の給付の支給状況について協会けんぽや健保組合が確認できるシステムの構築を進めています。

このシステムの利用料をめぐって「高額過ぎる」との反発が保険者からあり、現在、厚生労働省は利用料の大幅引下げ、また、情報参照を含む全面延期を検討しています。

協会けんぽではこのシステムの利用により、7月から申請者がマイナンバーを申し出れば給付申請時の非課税証明書等の添付を省略可能とする予定でしたが、影響を受けることとなりそうです。

福利厚生充実のために活用を検討したい

    「中小企業勤労者福祉サービスセンター」

「福利厚生の充実」が与える好影響

昨今の人材難への対応策の1つとして、社員のモチベーションや満足度を向上させて会社への定着を図ったり、採用の際のアピールポイントとしたりすることを狙いとして、福利厚生の充実を行う企業が増えています。

ユニークな福利厚生メニューを取り入れて社員が働きやすい環境を整備し、人材確保に成功している企業も数多くあります。

人材不足に悩む中小企業こそ、これからは福利厚生の充実を検討する必要があるといえるかもしれません。

とはいえ、中小企業が福利厚生を充実させるのには、コスト面での限界もあります。

 

こうした場合に活用を検討したいのが、「中小企業勤労者福祉サービスセンター」です。

どのような団体なのか?

この「中小企業勤労者福祉サービスセンター」は、中小企業勤労者が生涯にわたり豊かで充実した生活を送ることができるよう、中小企業が単独では実施することが難しい総合的な福祉事業を実施している団体です。

(1)在職中の生活の安定事業(共済給付事業、生活資金融資斡旋等)

(2)健康の維持増進事業(人間ドック等の受診斡旋・費用援助、健康管理に係る講演会・相談会の開催等)

(3)老後生活の安定事業(中退制度の普及、生涯生活設計講座の開催等)

(4)自己啓発・余暇活動事業(自己啓発の援助、情報の提供、余暇情報の提供、余暇施設の利用斡旋等)

(5)財産形成事業(財形制度の普及等)

 

などが行われており、加入することで提供されるサービスは多岐にわたります。

 

安い経費負担で福利厚生の充実が可能

事業主にとっては、加入により、自社単独で実施するよりも安い経費負担で従業員の福利厚生を充実させることができるというメリットがあります。

 

さらに、会社単位で加入した場合、会社が負担した入会金や会費は、経費として計上可能です。

 

福利厚生の充実のため、活用を検討してみてはいかがでしょうか。

 

5月30日施行!「改正個人情報保護法」への対応状況について

3割強の事業者では対応が間に合わない?

5月30日から全面施行される改正個人情報保護法によって、法がすべての事業者に適用されることになり、企業も対応に追われているところです。

一般財団法人日本情報経済社会推進協会(JIPDEC)が日本商工会議所との共催で行った「中小企業向け改正個人情報保護法実務対応セミナー」(東京:2017年1月17日、1月27日の2回開催、大阪:2016年12月9日の1回開催)において、参加者に対して実施した改正個人情報保護法への対応状況についてのアンケートの結果によると(全セミナー参加者642名中、回答者544名)、改正個人情報保護法への対応について、現段階で「対応済みである」との事業者は全体の7.9%との1割に満たず、「2017年の春頃までには対応する予定である(できると考えている)」と回答した割合は59.6%、「いつまでに対応が完了できるかわからない」との割合は28.7%となったそうです。

 

昨年末から今年頭にかけての回答状況ですが、対応の進んでいない企業が少なくない状況が読み取れます。

改正法への対応として従業員教育を重視

また、改正個人情報保護法遵守のために何を行ったらよいかとの質問については、従業員教育(従業員の意識向上)(86.4%)、セキュリティ対策構築(情報資産に対するリスク洗出し、リスク対策、サイバー攻撃対応等)(73.5%)、個人情報保護方針や規程類の作成・見直し(71.5%)の順となっています。

同調査では、個人情報保護法の改正について「知っている」との回答は9割以上となりましたが、「改正の内容まで知っている」との回答は4割だったそうです。

内容までは知らない人という人がまだまだ多い中、まずは従業員教育の徹底は第一課題となりそうです。

施行まで2カ月を切る!

5月30日に迫った改正法の全面施行まであと2カ月を切っています。まだ対応が済んでいない事業者も多いかと思いますが、マイナンバー制度の開始から始まり、近時、企業のセキュリティ対策が強く求められているところです。

重大な漏えい事故が起これば企業の経営にも大きく影響しますので、早急な対策が望まれます。

「社会保険未加入事業所」の実態と今年度の加入促進対策

未加入の事業所の6割が「保険料の負担が困難」

厚生労働省は、3月末に「社会保険の加入状況にかかる実態調査」の結果を公表しました。

この調査は社会保険の未加入が疑われる約63万事業所を対象に実施し、「未加入」と回答した事業所は13万5,490事業所でした。そのうち、加入手続を行っていない事業所は6万4,446事業所でした。

未加入の理由として、約6割の事業所が「保険料の負担が困難」であることを挙げています。

なお、未加入被保険者が多い業種は「不動産業」11.3%、「建設業」8.5%、「料理・飲食店業」6.9%、「飲食料品小売業」6.5%でした。

厚労省による加入促進の対策は?

厚生労働省は調査結果を踏まえ、この4月から社会保険の加入促進をより一層強化することを明らかにしています。

具体的な対策として、「飲食業」「理容・美容業」「社会福祉事業」が新規事業所の許可申請を行う際に、社会保険の加入状況を確認することになります。

 

従来は「建設業」や「運送業」が国土交通省に許可申請の際に加入状況の確認行っていましたが、新たに対象業種が追加となります。

加入が確認できなかった場合には、日本年金機構や各都道府県の労働局へ通報し、加入勧奨を行います。

この取組みは今年7月から実施が予定され、今後は厚生労働省の所管以外の業種にも要請をするとしています。

また、既存の事業所への対策として、加入すべき被保険者数が5人以上の事業所から優先的に加入指導を行い、意図的に届出を行わない事業所には立入り検査を実施します。

今後はより効率的に

近年の社会保険の加入促進の取組みとして、平成27年度からは、国税庁の情報提供を受けたことにより、従業員の給与を支払っている事業所の把握が可能となりましたが、そのデータを加入指導に活用したことにより、加入につなげることができているようです。

今後はより効率的に事業者調査を実施し、加入指導を行うとしています。

 

 

「転勤ルール」の整備はお済みですか?

       ~“働き方改革時代”の転勤とは?

「ノー転勤」社員が増えている

昨年、JILPTは「企業における転勤の実態に関する調査」を行いました。

これによると、61.2%の企業が「正社員(総合職)の転勤の可能性がある」と回答しています。

同調査結果で特に興味深いのは、この「転勤がある企業」において、過去3年間で転勤配慮の要望が「増えた」という回答は、男性社員で18.2%、女性社員で11.7%と、いずれも「減った」を大きく上回っている点です。

従業員が転勤に難色を示すのはいつの時代も同じですが、今どきの従業員は、声を上げて「ノー」と言う傾向にあります。

政府も転勤ルールを整備中

政府も現在、転勤に関する雇用管理ルールの整備・検討を進めています。

いわゆる“働き方改革”の大きな柱にワーク・ライフバランスがありますが、転勤は、単身赴任や配偶者の転職をともなったり、育児・介護を困難なものにしたりと、ワーク・ライフバランスを大きく損なってしまうものとして、政府からも問題視されているのです。

簡単に転勤を命じられない時代

もちろん企業には法律上、配転命令権が認められています(ただし濫用は禁止されています)。

 

事業所間の人員調整、ジョブローテーションによる人材育成など、転勤が必要な事情もあるでしょう。

しかし、今や転勤は会社が必ずしも自由に命じることができるものではなく、自社従業員や政府から「配慮」を求められてしまうご時世だということは、認識しておくべきです。

転勤にまつわるトラブルを防ぐために

転勤における「配慮」としてもっともわかりやすいのは、賃金を上乗せすることでしょう。

リクルートワークス研究所『Works No.134』によると、転勤による賃金の割増率は、例えば野村證券では10~15%、モスストアカンパニーでは10%であり、概ね10~20%の割増賃金を支払えば、多くの人が納得しやすい水準とのことです。

ただ、賃金はほんの一例です。勤務時間、業務内容、転勤後の社内キャリアといった処遇について、社内ルールの未整備により、転勤対象者とそうでない従業員(地域限定社員やパートタイマーなど)の双方に不公平感があると、転勤濫用を疑われたり、転勤を理由とする離職につながったりしかねません。

転勤ルール(社内規程、賃金制度等)をきちんと整備して、従業員に周知しましょう。

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