HRインフォメーション(2017年9月)

来年4月から本格化する「無期転換ルール」に関する調査結果

改正労契法で定められたルール

2013年に「改正労働契約法」が施行され、同法18条により、同じ事業主の下で契約更新が繰り返されて通算5年を超えた有期契約労働者は、本人の申出により「無期雇用」として働くことができるようになりました(いわゆる『無期転換ルール』)。

施行から5年が経過する来年(2018年)4月1日から本格的に、期間の定めのない労働契約(無期労働契約)に転換できる権利を有する労働者が生じることとなりますが、そんな中、連合から『有期契約労働者に関する調査報告』が発表されました。

ルールの認知度は?

この調査は、本格的に無期労働契約への転換が始まる前に、有期契約労働者の改正労働契約法についての認知状況や考えを把握するため、今年4月に実施されたものです(有効回答者数:1,000名)。

まず、『無期転換ルール』について、「ルールの内容まで知っていた」は15.9%にとどまっており、「ルールができたことは知っているが、内容までは知らなかった」が32.9%、「ルールができたことを知らなかった」が51.2%で、この2つを合計した『内容を知らなかった』は84.1%となっています。

ルールの対象者となる労働者の中ではまだまだ認知度が低いようです。

 

ルールに対する考え方

また、『無期転換ルール』についての考えを尋ねたところ、「契約期間が無期になるだけで待遇が正社員と同等になるわけではないから意味が無い」が54.5%で最も割合が高く、次いで「無期契約に転換できる可能性があるのでモチベーションアップにつながる」が37.1%、「契約更新して働き続ける可能性が狭まる」が31.3%となっています。

 

会社としての対応は?

いずれにしても来年4月からこの『無期転換ルール』の適用が本格化するわけですから、「まだ何も対応していない」という会社では、まずは対象となる従業員に対して制度(ルール)を説明し、あわせて無期転換となる労働者の待遇の決定、規定の整備等を行う必要があります。

 

「労働者派遣事業者」の許可基準を実質緩和へ

「資産要件」を緩和へ

厚生労働省は、労働者派遣事業者の許可基準を緩和する方針を固め、改正案を公表しました。

現在は、許可申請事業主に関する財産的基礎として、純資産等で一定の要件を設けていますが、地方公共団体が事業者の債務を保証することなどを条件として、実質的に資産要件を撤廃します。

労働者派遣法に基づく許可基準を改め、9月上旬にも適用する方針です。

現行は「資産要件2,000万円」

現行の許可基準では、派遣労働者に対する賃金支払いを担保するため、許可申請事業主に対して、「資産の総額から負債の総額を控除した額が2,000万円に当該事業主が労働者派遣事業を行う事業所の数を乗じた額以上であること」「基準資産額が負債の総額の7分の1以上であること」「事業資金としての自己名義の現金・預金の額が事業所数に1,500万円をかけた金額を上回ること」といった要件が課されています。

 

地方公共団体の保障で要件を担保

今回示された改正案では、地方公共団体が企業と債務保証や損失補填の契約を結ぶことを条件に、これらの要件を満たさなくても事業をすることを許可するとしています。

地方公共団体との債務保証契約や損失補てん契約が存在することで、資産要件を満たしている場合と同じ程度の評価ができると判断するものです。

資産要件の基準そのものは引き下げず、労働者への賃金支払いが滞らないようにします。

2015年改正による基準を、実態を踏まえ緩和

2015年の労働者派遣法改正で、それまで資産要件を満たす必要がある許可制の事業者と、資産要件のない届出制の事業者の2種類あった事業者の区分が、許可制に統一されていました。

事業者は来年9月までに許可制に移行する必要がありますが、今年7月現在で、許可制の事業所数が約2万4,000件あるのに対し、届出制は約5万5,000件と移行は順調に進んでおらず、「資産要件のハードルが高い」といった指摘も寄せられていました。

今回の基準改正で移行を促し、経営規模の小さい事業者でも派遣業を続けられる環境を整えて、地方で働く人などが仕事を見つけやすくするねらいです。

増加の一途をたどる過重労働による

         脳・心臓疾患、精神疾患に関する労災請求

平成28年度「過労死等の労災補償状況」

厚生労働省は、過重な仕事が原因で発症した脳・心臓疾患や、仕事による強いストレスなどが原因で発病した精神障害に関して、平成14年から、労災の請求件数や支給決定件数などを年1回取りまとめています。

このたび平成28年度の集計結果が公表されましたので、その内容をまとめます。

 

脳・心臓疾患に関する労災補償状況

請求件数は825件で、前年より30件増加しました。支給決定件数は260件で前年比9件増、うち死亡件数も同11件増の107件でした。

業種別に見てみると、請求件数・支給決定件数ともに「運送業、郵便業」が212件と最も多く、次いで「卸売業、小売業」106件、「製造業」101件と続きます。

年齢別では、「50~59歳」が請求件数266件、支給決定件数99件とともに一番多く、「40~49歳」が請求件数239件、支給決定件数90件と、ともに2番目に多くなっています。

時間外労働時間別の支給決定件数は、「80時間以上~100時間未満」が106件で最多、「100時間以上」の合計件数は128件ありました。

精神障害に関する労災補償状況

精神障害の請求件数は、前年から71件増え1,586件と、過去最多となりました。

 

そのうち未遂を含む自殺件数は前年から1件減の198件でした。

 

支給決定件数は498 件で前年から26件増加し、うち未遂を含む自殺の件数は前年から9件減の84件となっています。

業種別で見ると、請求件数は 「医療、福祉」302件、「製造業」279件、「卸売業、小売業」220件の順に多く、支給決定件数は「製造業」91件、「医療、福祉」80件、「卸売業、小売業」57件の順になっています。

年齢別では、「40~49歳」歳の請求件数が542件、支給決定件数が144件とともに最も多く、次いで「30~39歳」の請求件数が408件、支給決定件数136件という順に多くなっています。

そして、出来事別の支給決定件数は、「(ひどい)嫌がらせ、いじめ、又は暴行を受けた」が74件、「仕事内容・仕事量の(大きな)変化を生じさせる出来事があった」が63件となっています。

裁量労働制対象者に係る支給決定件数

過去6年間で、「裁量労働制対象者」に係る脳・心臓疾患の支給決定件数は22件で、うち専門業務型裁量労働制対象者に係る支給決定が21件、企画業務型裁量労働制対象者に係る支給決定が1件ありました。

企業側は、事業場の事故に限らず、労働時間・働き方等の管理に厳重な配慮が必要です。

最低賃金引上げ額は「平均25円」で過去最大の上げ幅に!

引上げ額は全国平均で25円

7月27日に開催された厚生労働省の第49回中央最低賃金審議会において、今年度(平成29年度)の地域別最低賃金額改定の目安が公表されました。

今年度の引上げ額の全国加重平均は25円(昨年度24円)、改定額の全国加重平均額は823円(同798円)となっています。

全都道府県で20円を超える目安額に

各都道府県に適用される目安のランクは以下のようになっています(都道府県の経済実態の応じ、全都道府県をABCDの4ランクに分けて、引上げ額の目安を示しています)。

【各都道府県に適用される目安】

 ・Aランク(引上げ額26円)…埼玉、千葉、東京、神奈川、愛知、大阪の6都府県

 ・Bランク(引上げ額25円)…茨城、富山、長野、静岡、京都、広島など11府県

 ・Cランク(引上げ額24円)…北海道、宮城、群馬、新潟、岐阜、山口など14道県

 ・Dランク(引上げ額22円)…青森、岩手、福島、鳥取、長﨑、鹿児島、沖縄など16県

 

全都道府県で20円を超える目安額となっており、引上げ率は昨年度と同じ3.0%です。

改定は10月から

今後、各地方最低賃金審議会において上記の目安を参考にしつつ、それぞれの地域における賃金実態調査などを踏まえて、各都道府県労働局長が地域別最低賃金額を決定します(10月1日から10月中旬までの間に順次発効される予定です)。

上記の目安額通りに最低賃金が決定されると、最低賃金が時給で決まるようになった平成14年以降、過去最高額となる引上げとなります(昨年度は18円)。

 

「人手不足倒産」が増えている! 深刻化する企業の人手不足問題

「人手不足倒産」増加の状況

人手不足の問題が各方面で叫ばれているとろですが、帝国データバンクが7月上旬に公表したデータによると、人手不足による倒産件数は4年前の約2.9倍に増えているそうです。

 

2017年上半期の人手不足による倒産件数は前年同期比で44.1%増となり、2年連続の前年同期比増となりました。

倒産件数全体に対する「人手不足倒産」の割合はまだまだ小さいものですが、業種や倒産する会社の規模に変化が出てきているそうであり、人手不足の影響の広がりが懸念されています。

影響が出ている業界にも変化が

人手不足倒産が発生する業種としては、従来から「介護事業」や「IT関連」などの割合が高くなっていますが、近ごろはこれらの業種のように特殊な資格やノウハウが必要でない業種でも人手不足倒産が増えているそうです。

ある社員が待遇面や給与面を理由にして他の従業員を引き連れて退社してしまい、人材不足から倒産に陥るという事例も見られるそうです。

影響が出ている中小企業は約7割

また、日本商工会議所が発表した調査(全国約3,500の中小企業を対象)では、「人手不足の影響が出ている」と回答した企業は約7割に上ったそうです。

人手不足による具体的な影響については、「売上維持・売上増への対応が困難」が53.3%、「従業員の時間外労働の増加や休暇取得の減少」が48.8%、「業務・サービスの質の低下」が46.1%となっており、人手不足への対応としては、「既存従業員の多能工化・兼任化」が53.5%、「採用活動の拡大」が51.6%、「離職防止や新規人材獲得のための労働条件の改善」が38.8%となっています。

 

いま問題が起きていない企業も他人事ではない

先行きの改善が見込みづらい中で、今後は人手不足の問題はさらなる影響の拡大が懸念されるところです。

 

実際、現状で具体的な問題が起きていない企業であっても、今後問題が顕在化してくることは大いに考え得るところです。

経済産業省では、昨年10月に『中小企業・小規模事業者の人手不足対応研究会』を立ち上げ、様々な施策を検討中です。

 

企業としても「倒産」という最悪の状況に陥らないために、これらの動向も見極めながら、今後の人手不足問題への対策、人材確保策を考えていくべきでしょう。

「マイナンバー制度」戸籍事務に拡大で手続きを簡素化へ

戸籍法改正の方針を明らかに

法務省は、マイナンバー制度の利用範囲を戸籍事務に拡大するため、戸籍法の改正について、9月中旬の法制審議会に諮問する方針です。

その後、法制審議会での審議を経て、2019年の通常国会に「戸籍法改正案」の提出を目指すとしています。

「戸籍制度に関する研究会」における議論

戸籍事務におけるマイナンバー導入は、法務省の「戸籍制度に関する研究会」で議論されてきました。

その結果、「戸籍情報連携システム」(仮称)を構築し、戸籍事務においてもマイナンバー制度の連携情報を必要な範囲で参照できるようにすることとされました。

しかし、番号法(マイナンバー法)上、行政事務に対する情報提供については、原則として情報提供ネットワークシステムを利用して行われるため、1994年以後の電子化された戸籍に限ることとし、電子化以前のものは対象外となります。

連携情報と文字問題

現在の戸籍情報システムは各市町村で個別に構築され、登録されている文字情報もそれぞれに異なります。

例えば、氏名で用いられる文字には常用漢字等に含まれないものも多くありますが、連携情報を整備しようとすると、名寄せができず、戸籍記録にマイナンバーを紐付けることができないおそれがあります。

そのため、上記の研究会では、今後、戸籍情報に記録される文字に関する制限や、すでに記録されている情報についても字形の同一化を実現する措置の必要性を検討するとしています。

連携により簡素化される手続き

マイナンバー制度と戸籍事務の連携が実現すれば、戸籍証明書(謄本、抄本)の添付を必要とする手続き、例えば婚姻届の提出や老齢年金・年金分割の請求、児童扶養手当の請求、パスポートの申請等での添付が不要になります。

ただし、上記の通り連携の対象とされるのは1994年以後の電子化された戸籍に限られるため、例えば、相続のように出生から死亡までのすべての戸籍記録が必要とされるような手続きにおいては、当面の間は簡素化されないこととなります。

「ストレスチェック制度」の実施状況と関連する助成金

初の取りまとめ

ストレスチェック制度の実施状況が、制度施行後、初めて取りまとめられ、厚生労働省から発表されました。

その結果、実施義務対象事業場のうち、ストレスチェック制度を実施したのは82.9%で、実際にストレスチェックを受けた労働者の割合は78.0%でした。

そのうち、医師による面接指導を受けたのは平均0.6%ですが、事業場規模が小さくなるほどその数値は高くなっています(50~99人規模では0.8%)。

社員が死亡等された場合、健康診断を受けさせない(受けていないことを放置する)ことで会社の管理責任が問われるケースがありますが、これからはストレスチェックを受けさせないことで会社の責任を問われるようなケースも出てくるかもしれません。

「ストレスチェック制度」とは?

ストレスチェック制度は、50名以上の従業員がいる事業場に義務付けられているもので、ストレスに関する質問票に労働者が記入し、それを集計・分析することで、自分のストレスがどのような状態にあるのかを調べる検査です。

労働安全衛生法に基づき、2015年12月から、毎年1回、この検査をすべての労働者に対して実施すること、その結果に基づく面接指導などを実施することが義務付けられました(ただし、契約期間が1年未満の労働者や、労働時間が通常の労働者の所定労働時間の4分の3未満の短時間労働者は義務の対象外です)。

なお、現時点で50名未満の事業場については「努力義務」となっていますが、今後義務化される可能性もあります。

 

制度導入に対する助成金

50人未満の事業場がストレスチェック制度を実施する場合には支援措置が用意されています。

2017年度は、従来からあった「ストレスチェック助成金」に加え、次の3つの助成金が新設されました。

・職場環境改善計画助成金

・小規模事業場産業医活動助成金

・心の健康づくり計画助成金

政府や行政の動きとしても、労働者の健康確保は最近の目玉政策の1つであり、労働基準監督署による集中的な指導・監督が行われています。

社員がメンタル不調で欠員となる影響は中小企業ではより深刻です。会社の経営は社員の健康なくして語れない時代になりました。予防こそ最大の対策です。

平成28年度 個別労働紛争件数にみる労働紛争の現状

総合労働相談件数は100万件超で高止まり

厚生労働省「平成28年度個別労働紛争の施行状況」(6月16日発表)によると、平成28年度の総合労働相談件数は113万741件で、前年度と比べると9.3%増となりました。

件数が100万件を超えるのは9年連続であり、高止まりしています。

泣き寝入りせずに、職場改善を求める動きが広がっていることが、その背景にあるようです。

「いじめ・嫌がらせ」が問題のトップ

中でも大きな問題となっているのが「いじめ・嫌がらせ」です。民事上の個別労働紛争の相談件数(70,917件)、助言・指導の申出(2,206件)、あっせんの申請件数(1,643件)のすべてでトップとなりました。

「いじめ・嫌がらせ」は、近年、職場で問題視されている「ハラスメント」と同じものと考えることができます。

 

例えば、厚生労働省「職場のパワーハラスメントに関する実態調査」(今年3月公表)においても、3人に1人が「パワーハラスメントを受けた経験がある」との結果が示されているなど、企業での対策が急務となっています。

ハラスメントをめぐる労働紛争防止のために

特に近時は、「個別の労働者vs企業」のトラブルがマスコミにも取り上げられ、企業イメージが大きく損なわれるといった事案も増えています。

ハラスメントの問題を「個人同士の問題で会社には関係ない」と捉える人はまだまだ多いようですが、トラブルを未然に防ぐためにも適切な対策を講じることが大切です。

ハラスメントの研修会を実施したり相談窓口を設置したりするなどの手を打っておきましょう。

 

中小企業の「健康経営」への関心度と関係省庁の取組み

中小企業に浸透していない?

東京商工会議所は、東京都内の中小企業を対象とした「健康経営」に関する取組みについての調査をまとめました。

その結果、約6割の企業は「健康経営」について認知しており、約2割の企業はすでに「実践している」と回答しました。

一方、健康経営の言葉自体を「聞いたことがない」企業は約4割もあり、認知度がいまだ低いことが浮き彫りとなりました。

関心はあるが、その効果は未知数

また、健康経営を進めるうえでの課題(複数回答)として、「どのようなことをしたらよいか分からない」が38.1%と最も多く、「ノウハウがない」「社内の人員がいない」(ともに22.7%)、「予算がない」(12.5%)と続いています。

中小企業は、健康経営に関心があるにもかかわらずその効果がわからず、また、実践するための予算や人員が確保できないため、取組みをためらっているようです。

健康経営は、企業が従業員の健康管理をすることで組織全体が活性化し、長時間労働の是正や生産性の向上の効果にもつながるとされています。

「健康経営」に関する主な取組み

関係省庁の主な取組みとして、経済産業省は、東京証券取引所と共同で毎年「健康経営銘柄」を選定して公表することで、企業の健康経営の取組みが株式市場等において評価される仕組みづくりに取り組んでいます。

また、厚生労働省は今年7月に「データヘルス・健康経営を推進するためのコラボヘルスガイドライン」を公表しました。

 

このガイドラインは、事業主と健保組合等が連携(コラボヘルス)して健康増進に向けた取組みを行うためのものです。

また、健保加入者の健康情報の分析を行うことで、個人の状況に応じた保健指導や効果的な予防・健康づくりのアドバイス等が期待されます。

 

従業員の睡眠不足問題と「勤務間インターバル制度」の活用

睡眠ブーム到来中!

「睡眠」が静かなブームとなっています。

ビジネスマン向けの「睡眠」関連書が次々と出版されたり、深夜業務が多い企業などを対象とした「従業員の睡眠改善」セミナーが話題となったりするなどしています。

「平成27年国民健康・栄養調査」(厚生労働省)によれば、1日の平均睡眠時間が「6時間未満」という人は平成27年で39.5%です。この割合は、平成19年以降、増加し続けています。

睡眠ブームも、このように睡眠不足に悩む人が増えていることの裏返しと言えます。

ここでは、企業にとっての「従業員の睡眠不足」について、考えてみましょう。

睡眠負債の恐怖

「睡眠負債」という言葉をご存知でしょうか。スタンフォード大学により提唱された概念で、日々の僅かな睡眠不足が負債(借金)のように積み重なっている状態を指します。

短期的な睡眠不足であれば、しっかり休養すれば改善しますが、睡眠負債の場合、本人は睡眠不足の自覚がないまま心身にダメージが蓄積し、脳のパフォーマンスの低下や、がん、生活習慣病、鬱、認知症などの発症をも引き起こすとされています。

一例として、東北大学の調査によれば、睡眠時間が6時間以下で睡眠負債がたまった状態の人においては、男性の前立腺がんの発症率が1.38倍、女性の乳がん発症率が1.67倍に悪化したとのことです。

睡眠負債で高まる労災リスク

睡眠負債は、慢性的な長時間労働と表裏一体の関係にあります。

 

企業にとっては、従業員の疾病発症率が高まるということは、自社の労災発生リスクが高まることを意味しています。

万が一、自社の従業員が脳・心臓疾患や精神疾患を発症し、これが長時間労働によるものと主張されることになれば、企業はこの疾患の「業務起因性」や、そもそもの「安全配慮義務」を問われる事態ともなりかねません。

 

労働者と企業を守る「勤務間インターバル制度」

労働者の睡眠負債への特効薬として、今、期待されているのが「勤務間インターバル制度」(退社から出社まで一定時間を空け、労働者の休息時間を確保する制度)です。

終業が遅くなった際、始業を後ろ倒しすることで、睡眠を含む休息時間の確保につながります。

厚生労働省の有識者会議における資料によれば、この「勤務間インターバル制度」をすでに導入している企業および導入検討中の企業はわずか10%程度であり、普及はまだまだこれからですが、企業にとって要注目の制度と言えるのではないでしょうか。

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