HRインフォメーション(2018年3月)

厚生労働省「モデル就業規則」が改定されました!

「モデル就業規則」とは?

常時10人以上の従業員を使用する使用者は、労働基準法の規定(第89条)により、就業規則を作成し、所轄の労働基準監督署長に届け出なければならないとされています(就業規則を改定する場合も同様です)。

厚生労働省では、各企業が実情に応じた就業規則を作成できるよう、同省ホームページにおいて「モデル就業規則」(以下、「モデル規則」)を公開していますが、この度、これの改定が行われました。

企業はこのモデル規則の通りに規定を定めなければならないわけではありませんが、規定作成の際の参考にはなります。

 

今回改定された規定は?

今回改定された主な規定は、以下の通りです。

(1)「マタニティ・ハラスメント」等の禁止規定(第14条)を新設

【規定例】

 妊娠・出産等に関する言動及び妊娠・出産・育児・介護等に関する制度又は措置の利用に関する言動により、他の労

 働者の就業環境を害するようなことをしてはならない。

(2)「その他のハラスメント」の禁止規定(第15条)を新設

【規定例】

 第12条から前条までに規定するもののほか、性的指向・性自認に関する言動によるものなど職場におけるあらゆるハ

 ラスメントにより、他の労働者の就業環境を害するようなことをしてはならない。

(3)「副業・兼業」についての規定(第67条)を新設

【規定例】

 1 労働者は、勤務時間外において、他の会社等の業務に従事することができる。

 2 労働者は、前項の業務に従事するにあたっては、事前に、会社に所定の届出を行うものとする。

 3 第1項の業務に従事することにより、次の各号のいずれかに該当する場合には、会社は、これを禁止又は制限す

  ることができる。

  ・労務提供上の支障がある場合

  ・企業秘密が漏洩する場合

  ・会社の名誉や信用を損なう行為や、信頼関係を破壊する行為がある場合

  ・競業により、企業の利益を害する場合

※なお、「労働者の遵守事項」(第11条)の規定から、「許可なく他の会社等の業務に従事しないこと。」が削除され

 ています。

(4)「家族手当」についての規定(第33条)から「配偶者手当」を削除

 「請負契約のフリーランス」を独禁法で保護へ

 

悪質なケースでは摘発も

企業などから個人で直接仕事を請け負って働く「フリーランス」とよばれる人たちが、契約で不当な制限を受けた場合、独占禁止法(独禁法)で保護されることになりました。

 

フリーランスが増えていることを受け、実態調査を行ってきた公正取引委員会(公取委)の有識者会議が見解をまとめ、明らかになったものです。

どういったケースが違反にあたるかを2月中にも公表し、各業界に自主的な改善を促す方針ですが、悪質なケースが見つかれば摘発も検討しているようです。

「法律の空白地帯」が発生

企業と雇用契約を結ばずにフリーランスとして働く人は、現在1,000万人以上いるとされています。

 

システムエンジニアやプログラマーといった職種のほか、プロスポーツ選手や芸能人も含まれ、近年はインターネットを通じて不特定多数の個人に仕事を発注する企業も増えているようです。

ただ、こうした働き方は労働基準法などの対象となるのか、事業者の適切な取引環境を守る独禁法の対象となるのか、非常にあいまいだったため、企業側から不当な要求を受けても対抗できない「法律の空白地帯」になっていました。

不当な報酬や移籍制限、囲い込みなどを規制

公取委は、昨年からフリーランスの労働環境の実態調査をすすめ、有識者による検討会を重ねてきました。

 

今回まとめた見解では、企業側からフリーランスになされる不当な要求は独禁法の対象となりうると認定。

 

「企業側が報酬や仕事内容などの約束を守らない」「補償費も払わずに他社と仕事をさせない」等を求めた場合は独禁法が禁じる「優越的地位の乱用」などにあたるおそれがあるとしました。

また、プロスポーツ選手の不当な移籍制限や、芸能事務所による芸能人の囲い込みなども独禁法違反にあたるおそれがあるとしています。

クラウドソーシングの急増に対応

公取委が、フリーランスへの不当な要求を独禁法の対象と認めるのは、「雇用関係ではない働き方」を守る必要性が高まっているとの判断からです。

 

仕事の発注側がウェブサイトなどで仕事をしたい人を募集するクラウドソーシングの出現は、こうした働き方を広げる一方、報酬の支払いが遅れたり、仕事内容が一方的に変更されたりするトラブルの急増にもつながっているのです。

公取委の方針にはこうした現状を是正するねらいがあり、見解をまとめることにより、人材の活用を活性化させ、消費者サービスの向上につながることが期待されています。

 

日本国内で雇用される外国人数が過去最高を記録

外国人雇用状況の届出制度

雇用対策法に基づき、外国人労働者の雇用管理の改善や再就職支援などを目的とし、すべての事業主に、外国人労働者の雇入れおよび離職時に、氏名、在留資格、在留期間などを確認し、厚生労働大臣(ハローワーク)へ届け出ることが義務付けられています。

届出の対象は、事業主に雇用される外国人労働者(特別永住者、在留資格「外交」・「公用」の者を除く) です。

以下の集計数値は、平成29年10月末時点で事業主から提出のあった届出件数を基にしています。

 

外国人雇用状況の概要

日本での外国人労働者数は127万8,670人で、前年同期比で19万4,901人(18.0%)増加し、過去最高を記録しました。

 

増加の要因として挙げられるのは、「高度外国人材や留学生の受入れが進んでいること」「永住者や日本人の配偶者等の身分に基づく在留資格者々の就労が進んでいること」「技能実習制度の活用が進んでいること」等です。

最も多い国籍は中国の37万2,263人で、全体の29.1%を占めています。

 

続いて、ベトナム(240,259人、18.8%)、フィリピン(146,798人、11.5%)となっています。

在留資格別では、身分に基づく在留資格の45万9,132人(35.9%)が最も多く、資格外活動(留学)(25万9,604人、20.3%)、技能実習(25万7,788人、20.2%)、専門的・技術的分野(23万8,412人、18.6%)、と続いています。

事業所の状況

外国人を雇用している事業所は、全国で19万4,595カ所あります。前年同期比で2万1,797カ所増え、こちらも過去最高を更新しました。

都道府県別では、東京都(5万4,020カ所、27.8%)が最も多く、愛知県(1万5,625カ所、8.0%)、大阪府(1万2,926カ所、6.6%)、神奈川県(1万2,602か所、6.5%)、埼玉県(9,103カ所、4.7%)と続いています。

産業別の状況

産業別では、製造業が最も多く、外国人労働者全体の30.2%が就労しています。

なお、建設業およびサービス業の外国人労働者は減少傾向にあります。

 

どう変わる? 平成30年度以降の「キャリアアップ助成金」

「キャリアアップ助成金」とは?

キャリアアップ助成金は、有期契約労働者、短時間労働者、派遣労働者といったいわゆる非正規雇用の労働者の企業内でのキャリアアップ等を促進するため、正社員化や人材育成等の取組みを実施した事業主に対して助成される制度ですが、平成30年度から改正が行われる予定です。

 

改正内容は?

【正社員化コース】(拡充・支給要件の追加)

有期契約労働者等の正規雇用労働者・多様な正社員等への転換等について助成するものです。

 

改正により、1年度1事業所当たりの支給申請上限人数を15人から20人に拡充します。

また、支給要件に、①正規雇用等へ転換した際、転換前の6カ月と転換後の6カ月の賃金総額を比較して、5%以上増額していること、②有期契約労働者からの転換の場合、対象労働者が転換前に事業主で雇用されていた期間が3年以下に限ること、が追加されます。

【人材育成コース】(整理統合)

有期契約労働者等に対して職業訓練を行う事業主に対して助成するものでしたが、改正により、人材開発支援助成金に統合されます。

【賃金規定等共通化コース】(新規加算措置)

有期契約労働者等に、正規雇用労働者と共通の賃金規定等を新たに規定し、適用した場合に助成するものです。

 

1事業所当たり57万円(生産性要件を満たした場合72万円)助成されますが、新たに加算措置が設けられます。

【諸手当制度共通化コース】(新規加算措置)

有期契約労働者等に関して正規雇用労働者と共通の諸手当制度を新たに設け、適用した場合に、1事業所当たり38万円(生産性要件を満たした場合48万円)が助成するものですが、新たに加算措置が設けられます。

 

予算成立等が前提

上記の改正は、平成30年度予算の成立および雇用保険法施行規則の改正が前提となるため、今後変更される可能性がありますので、ご注意ください。

 

「働き方改革」って実際進んでいるの?

企業における「働き方改革」の実態は?

現在、政府が推進する「働き方改革」の名の下に、様々な方面で「働き方」の見直しが進められており、関連する国の動きや企業事例などがメディアでも多く取り上げられています。

その一方で、実態が伴っていない「働き方改革」に対する批判や課題も叫ばれているところですが、「働き方改革」は、実際、企業ではどのように受け止められているのでしょうか。

必要性は感じているが取り組んでいない企業も

株式会社オデッセイが、全国の人事部門または「働き方改革」に係わる部門に所属している方を対象に実施した「働き方改革に関する意識アンケート」の結果によると、約8割が、「働き方改革」の必要性を感じていると回答しましたが、実際に「働き方改革」に取り組んでいるのは約5割という結果になったそうです。

必要性を感じながらも、実行できていない企業がまだ多いことがわかります。

労働時間の改善、休暇取得促進への取組みが中心

また、「働き方改革」の具体的な施策として取り組んでいることで最も回答が多かったものは、「労働時間の見直しや改善」となっており、「休暇取得の促進」が続いています。

「女性の働きやすい環境作り」と「育児・介護中の社員が働きやすい環境作り」という回答も多く集まり、女性を支援する施策に取り組んでいる企業も多いことがわかります。

 

実現にはまだまだ課題も

また、株式会社リクルートマネジメントソリューションズが、企業の人事制度の企画・運営および「働き方改革」推進責任者を対象に実施した「『働き方改革』の推進に関する実態調査」の結果によると、「働き方改革」推進上の課題として、「社外を含めた商習慣を変える難しさ」を挙げる回答が62.1%と最も多く、「現場や他部署との連携が難しい」(54.0%)、「マネジメント難度上昇への懸念」(50.3%)が続いています。

自社の現状を踏まえて適切な対応を

人材確保や従業員のメンタルヘルス対策等の面からも、企業の「働き方改革」に対する取組みは今後も重要性が増すでしょう。

自社の現状を見極めながら適切な対応を考えていきたいところです。

 

メタボ健診・特定保健指導受診で健康改善&医療費抑制効果を確認

生活習慣病患者は今も増加中

「メタボ」(メタボリックシンドローム)とは、内臓肥満があり、血圧、脂質値、血糖値のうち2つ以上に異常を認める症候群のことです。

また、「生活習慣病」とは、偏った食事や運動不足など、好ましくない習慣や環境の積重なりにより発症リスクが高まる病気の総称であり、高血圧、脂質異常症、糖尿病などがあります。

現在、1,140万人超の生活習慣病患者がおり、医療費や介護費の負担増に繋がるとして改善が急務とされています。

 

メタボ健診・特定保健指導とは?

「メタボ健診」は、正式には「特定健康審査」といいます。40~74歳の方を対象に、従来の健診に加えて腹囲の測定やBMI指数の計算等を行うものです。

「特定保健指導」は、メタボ健診の結果、複数のリスクがある人に対し、保健師・管理栄養士等が生活習慣の改善などをアドバイスするものです。

 

受診による健康改善効果

国立循環器研究センターが厚生労働省のデータベースから100万人超のデータを分析したところ、特定保健指導受診者は、未受診者に比べ3年後にメタボと診断される割合が31%減少し、腹部肥満も33%改善していました。

血圧、中性脂肪、コレステロールの値なども、改善しています。

受診による医療費抑制効果

協会けんぽが約26万人のレセプトデータを分析したところ、男女ともすべての年齢層で、特定保健指導対象者は、非対象者より男性は約7,001円、女性は約1万1,264円医療費が高いことが確認されました。

さらに、特定保健指導受診者の医療費は未受診者より約2割安く、健康状態の把握や指導による医療費抑制効果が確認されています。

2018年度からは肥満でない方も対象に

これまで腹囲やBMI指数が一定以上の方が対象だった特定保健指導ですが、近年、肥満でない方も生活習慣病になることが明らかになりました。

そこで、2018年度から項目を見直し、血圧、血糖、血中脂質の各検査結果を基に心筋梗塞などのリスクの有無を判断し、腹囲が基準以上の人は減量を目指す指導の対象とし、基準未満の人には非肥満者向けの指導が実施されます。

これまで「自分には関係ない」と思っていた方も、注意が必要かもしれません。

 

国内企業の3分の2が後継者不在!

後継者問題で650万人の雇用が失われる!?

春の人事異動の季節を前に、頭を悩ます人事担当者の方も多いことでしょう。

一方、企業自体のとても大きな“人の異動”である「後継者」について、そろそろ本格的に考え始めている経営者も多いのではないでしょうか。

近年、中小企業の事業承継が国家的な問題として認識され始めており、後継者問題等による廃業が急増することにより、2025年頃までの10年間で約650万人の雇用、約22兆円のGDPが失われる可能性(経済産業省の推計)が示唆されています。

 

同族企業の後継者は「子供」が約半数

帝国データバンクが発表した「2017年 後継者問題に関する企業の実態調査」によれば、国内の66.5%の企業で後継者が不在であり、後継者候補は「子供」が40.5%、「非同族」が31.4%となっています。

ただし、これを(創業者である場合を含まない)同族継承企業に限ってみてみると、66.9%が後継者不在であり、後継者候補は、「子供」が48.2%、「親族」が39.0%、「非同族」が3.7%となっており、M&Aなどによる非同族への事業承継意識が極めて希薄です。

また、年商10億円未満の企業では、平均を上回る不在率(78.0%)となっており、承継準備が十分進んでいない実態もあります。

 

M&Aの広がり

60歳代後半から70歳代が平均的な引退年齢と言われていますが、代表年齢「60 歳代」の同族継承企業では48.0%と約半数、「70歳代」でも34.4%で後継者不在となっており、「安定した事業承継が特徴」といわれてきた同族企業にあってこの数値は低いとは言えません。

近年、M&Aが浸透してきているとはいえ、M&Aによる事業承継は、国内企業の約4割を占める同族継承企業ではまだ3.7%にとどまりますが、今後、国の政策や金融面でのフォローが充実するとさらに広がってくることが予想されます。

ただし、M&Aによる場合、子供への承継の場合とは違った人事・労務上の検討事項も多いですから、事前の準備が重要となります。

 

労働損失は“うつ”より大きい!「腰痛対策」について考えてみよう

「腰痛・首の痛み」は最も労働損失を生じさせる

腰痛・肩こりを訴える方は多く、国民の訴える愁訴の1・2位を占めると言われています。

 

「たかが…」と甘く考えてはいけません。慢性疾患による労働損失調査によると、世代を問わず最も就労に影響を与えるのが腰痛・首の痛みであり、特に30代では約3割もの人が、業務に差障りがあると回答しています。

また、腰痛・首の痛みが生じさせる労働損失は、うつ・不安・意欲障害よりも大きいと試算されていますので、職場としても対策を行い、腰痛を減らしていくことが重要です。

朝・昼2回のストレッチが効果的

腰痛で多い「ギックリ腰」や「椎間板ヘルニア」を防ぐためには、崩れた筋肉骨格のバランスを正すことが大切です。

ギックリ腰の発生は9~11時台、昼休憩後の14~15時台に多いというデータがあります。

 

その時間帯の前、例えば朝(始業時)と昼休憩時に、腰を反らすといった簡単なストレッチを行って体のバランスを整えるだけでも効果があります。

とはいえ、職場でのストレッチは周囲の目が気になるという声もあります。

 

個人に対策を求めるのではなく、部署単位でストレッチの重要性を理解し実践することで、仕事の合間にストレッチがしやすくなり腰痛の発生件数が減ったという例もありますので、参考にしてみてはいかがでしょうか。

早期の職場復帰が有効

腰痛が起こった場合に、整形外科や産業医学では休養を勧めることが多いようです。

 

しかし、近時は、安易に休むのではなく、少しでも動けるようになったら、軽作業からであってもできるだけ早期に職場復帰することが大事だと言われるようになってきました。

「また痛くなるのでは」との不安や恐怖心が予後を悪くするとも言われます。

 

できる範囲で働いてもらうことで、治療の面でも大きな効果があると言えそうです。

 

政府が推進する「リカレント教育」とは?

政府が重要性を強調

政府は、人づくり改革を議論する有識者会議「人生100年時代構想会議」において、「リカレント教育(学び直し)」の重要性を強調し、大学や企業、地域による教育プログラムの開発などを進めるように求めました。

リカレント教育の推進の目的は、IT・AI化の加速により、出産・育児で退職した女性や定年退職した高齢者らが最新の技術を学び、生産性向上につなげることです。

政府は昨年末、2019年以降に約5,000億円の予算をリカレント教育に投入する方針を固め、その充実を図ることとしています。

各国の取組みは?

リカレント教育とは、リカレント(recurrent)を回帰する、循環すると訳すことから、いったん社会に出た後に必要に応じて再び教育を受ける教育体制ことを意味します。

 

1970年代に経済協力開発機構(OECD)によって提唱され、国際的に広く認知されるようになりました。

スウェーデンでは、キャリアを一旦中断して数年間、フルタイムで学生として教育を受ける仕組みが整っています。

 

また、アメリカでは、コミュニティ・カレッジという公立の2年制の大学で、安い値段で大学教育と職業訓練を提供しています。

 

夕方や夜間、土日も開講しており、働きながら通うことが可能です。

日本の現状は?

日本では、かつて終身雇用が慣例となっていたため、リカレント教育の必要性が重視されていませんでした。

しかし近年、社会人入試の実施、夜間大学院の設置、また、放送大学の活用やカルチャーセンターや通信教育、企業の教育訓練が充実し、働きながら学べる環境が整ってきています。

政府の方針に期待

政府は昨年末、2019年以降に約5,000億円の予算をリカレント教育に投入する方針を固め、その充実を図ることとしています。

また、今年1月には、雇用保険法の改正により、専門実践教育訓練給付金が拡充され、支給率、上限額、支給対象者の要件が変わり、教育訓練支援給付金の支給率が引き上げられました。

今後、人口の減少が進んでいく中、女性や高齢者だけでなく働き手個人のスキルアップより労働力を向上させることが課題となっており、リカレント教育のニーズも高まっています。

政府の提言により、リカレント教育の環境が整備されていくことが期待されます。

若手人材の確保にも効果あり! 「地域限定正社員」

若手人材にも人気の働き方

いわゆる「多様な働き方」の1つである「地域限定正社員」。

 

一般的には、「勤務地を特定し、転勤の対象とならない」「通常の正社員に比べ給与水準が低い」といった条件で契約した正社員を指します(「勤務地限定~」「エリア限定~」等と呼ぶ場合もあります)。

地域限定正社員といえば、育児や介護などの家庭事情により転勤が困難な社員のニーズが高いように思われるかもしれませんが、最近では、新卒採用者や就活生にも注目されています。

 

就活生の7割、地域限定正社員に応募意向

日本生産性本部「2017年度 新入社員 春の意識調査」において、「『働き方改革』で最も関心のある勤務形態は何か?」(6項目より選択)という質問に対し、「転勤のない地域限定勤務」が27.0%で1位となりました。

また、労働政策研究・研修機構「大学生・大学院生の多様な採用に対するニーズ調査」で、「就職活動開始時の限定正社員に対する応募意向」を調査したところ、「地域限定」が72.6%となり、「職務限定」(58.0%)や「勤務時間限定」(51.8%)を大きく上回りました。

売り手市場のいま、若手の人材は自身の働き方に対して様々なニーズを持っていますが、「転勤をしたくない」というニーズはとりわけ強いようです。

転勤を必要とするような複数の事業所があり、転居を伴う異動を行う企業にとっては、「地域限定正社員」が制度化されているか、そしてそのことを募集・採用時にアピールできるかどうかが、人材確保や早期離職防止の観点から重要といえます。

正社員と地域限定正社員の賃金バランス

地域限定正社員を制度化するにあたって難しいのが、いわゆる正社員と地域限定正社員の給与のバランスです。

 

両者のバランスがとれていなければそれぞれが不公平感を募らせ、トラブルのもととなってしまいます。

厚生労働省「『多様な形態による正社員』に関する研究会報告書」によれば、いわゆる正社員の賃金を100としたとき、地域限定正社員の賃金で最多だったのは「80~90未満」で29.1%、次いで「90~100未満」の22.4%となっています。

世間の相場を参考にしつつ、自社の実情(各事業所間の距離、転勤の頻度等)を十分に考慮して、両者が納得できる給与体系にしたいものです。

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