HRインフォメーション(2019年4月)

長時間労働につながる商慣行の実態~中小企業庁調査から

中小企業庁が、「繁忙期対応」や「短納期対応」における長時間労働につながる商慣行についての実態調査を行い、その結果を公表しました。

調査は昨年12月3日~13日に7,642社の中小企業に対してWebによるアンケートで行われ、2,537社から回答を得てまとめられたものです。

公表された結果の概要は以下の通りです。

 

繁忙期、短納期受注の発生状況

・繁忙期は約7割の企業で発生し、特に建設業、食料品製造業、紙・紙加工品産業、印刷産業、トラック運送業・倉庫業では8割超の企業で発生している。

・短納期受注は6割の企業で発生(直近1年間)し、特に紙・紙加工品産業、印刷産業、半導体・半導体製造装置産業、電気・情報通信機器産業では8割超の企業で発生している。

・繁忙期/短納期受注の主要取引先として最も回答が多い業種は、大半の業種で同業種であるとの回答が多い。一方、食料品製造業、紙・紙加工品産業、素形材産業、技術サービス産業、卸売業では、他業種が主要取引先として最も回答が多い。

 

繁忙期、短納期受注の発生要因

・繁忙期の発生理由は、約5割の企業が「季節的な要因」と回答。短納期受注については、約8割の企業が「取引先からの要望」と回答している。

・繁忙期/短納期受注の発生要因について、取引上の問題としての課題を整理すると、「年末・年度末集中」や、「納期のしわ寄せ」「多頻度配送・在庫負担・即日納入」といった問題のある受発注方法と、そうした「問題のある受発注方法が常態化」していることが、取引上の課題として挙げられている。

 

残業時間への影響

・繁忙期対応によって8割、短納期受注によって6割の企業が、従業員の平均残業時間が「増加する」と回答している。

 

繁忙期の発生要因として、「小売業の品切れ=メーカーの責任という考え方が強く、即時対応が常態化している」「親会社の働き方改革により年末年始に発注が集中」といった納期の集中や、「調剤薬局に一日多数回の配送を求められる」など、事業主の生の声や、業種・地域別の詳細なデータも公表されています。

 

残業時間の削減など、働き方改革の実現に向けた改善策を検討するための参考にもなりそうです。

【参考】中小企業庁「長時間労働に繋がる商慣行に関するWEB調査結果概要」(PDF)

http://www.chusho.meti.go.jp/keiei/torihiki/2019/190304shoukanshu_chousa1.pdf

 

約半数の企業が副業を許可~パーソル総合研究所の調査から

調査の概要

副業を解禁するべきかの判断材料になる情報や、副業のメリットを享受したい企業がとるべきアクションを明らかにするため、総合人材サービス、パーソルグループのシンクタンク・コンサルティングファームである株式会社パーソル総合研究所は、インターネット調査を通じて、副業に対する企業と個人の意識調査の結果を公表しました。

今回は、その調査結果から注目すべき内容を取り上げてまとめます。

調査結果

・副業の許可と禁止割合

10人以上の従業員が勤務する企業の人事担当者(1,641人)の回答によると、「全面的に許可している」が13.9%、「禁止していない(希望者がいれば条件付で許可)」が36.1%、「全面的に禁止している」が50%という結果になっています。

副業許可企業

・副業許可の開始時期

副業許可企業に、許可を開始した時期を尋ねると、「1年以内」が22.8%、「2~3年前」が29.2%、「4~6年前」が22.8%と、働き方改革が叫ばれるようになったこの3年以内に許可を開始した企業が半数以上に上っていることがわかります。

・副業許可の効果

副業許可の効果を尋ねると、「従業員の社外人脈の拡大」52.2%、「モチベーションの向上」50.3%、「スキル向上」49.7%と、メリットを実感している割合が高く、一方で効果を感じていないとの回答は18%未満と少ないことがわかりました。

副業禁止企業

・企業規模別

副業禁止割合を企業規模別に見ると、10~100人未満の企業は43%台、100~500人未満企業で50%前後、1,000~1万人未満企業は60%近くあります。

・設立年数別

10年未満企業の副業禁止割合は36.3%と最も少なく、50年以上企業は62.1%と最も高く、歴史のある企業ほど「全面的に禁止」の割合が高くなっていることがわかります。

・禁止理由

副業禁止の理由を尋ねると、「従業員の過重労働につながるから」が49.2%と最も多く、「自社の業務に専念してもらいたいから」が47%、「疲労による業務効率の低下が懸念されるから」43.6%となっています。

副業禁止が何となく染みついている時代ですが、この調査によると、半数が副業を認めている(条件付許可も含む)実態がわかります。

 

しかも、全面的に副業を許可している企業のほうが、社員のスキル向上やモチベーションのアップといったプラスの効果を感じているという結果も出ています。

 

今後は、コンプライアンスやリスク回避もしっかり踏まえて、今後ますます広がる“多様な働き方”に対応していく必要があるでしょう。

 

障害者雇用をめぐる最近の動き 

平成30年4月からの障害者雇用率制度

すべての事業主には、法定雇用率以上の割合で障害者を雇用する義務があります。

 

この法定雇用率が、平成30年4月1日から次のように変わっています。

 

民間企業2.0%→2.2%。国、地方公共団体等2.3%→2.5%。都道府県等の教育委員会2.2%→2.4%。

 

平成30年12月公表の「平成30年国の機関等における障害者雇用状況の集計結果」

例年、一般事業主、国、地方公共団体及び独立行政法人等は、6月1日時点の障害者雇用の状況を報告しなければならず、それを受けて12月に厚生労働省から「障害者雇用状況の集計結果」が公表されます。

 

平成30年12月の公表では、「国の機関等における障害者雇用状況の集計結果」とされ、民間企業についての記述はありませんでした。

 

民間企業については、データ入力のための作業ツールの不具合により、平成31年3月末までに公表する予定とされています。

12月の集計結果によると、行政や司法など国の機関での2018年6月時点の障害者雇用率が1.22%でした。

 

法定雇用率の2.5%を満たすには計算上で約4,300人不足し、8割以上の機関が基準を達成していませんでした。

 

障害者雇用については、国や地方自治体の機関で水増しが相次いで発覚し、各機関が法定雇用率の達成に向け採用を急いでいます。

 

障害者雇用率未達成の省庁は予算減額

民間企業では、障害書雇用率を達成すると、超過人数1人につき月2.7万円の調整金が支給されます。

 

一方、未達成の場合は、不足人数1人につき月5万円の納付金が徴収されます。

 

このペナルティーが民間企業だけにあり、国等の機関にないのは不公平だとの批判が以前からありました。

政府は来年度から、法定雇用率を達成できなかった省庁の予算を減額する方針を決めました。

 

国の機関では不足1人につき、翌年度の予算から60万円を減額します。

 

減額対象の予算項目は備品購入などに充てられる「庁費」とします。

 

障害者手帳のカード化、自治体判断で4月から

厚生労働省は、以前から障害者手帳をカード化する方針を打ち出していましたが、この4月にも省令を改正し、各自治体の判断で障害者手帳や精神障害者保健福祉手帳をカード化できるようにする方針を決めました。

 

現在の身体障害者手帳は縦11.4センチ、横7.5センチで、「持ち運びしにくく、劣化しやすい」など、障害者などからカード型に変更するよう求める声がありました。

 

カード型の手帳は耐久性のあるプラスチックなどの素材を利用し、運転免許証やクレジットカードと同じ大きさにします。また、カードに氏名や住所、障害の度合いなどを記載します。

 

社内失業者の実態~エン・ジャパンの調査から 

エン・ジャパン株式会社は、同社が運営する人事向け総合情報サイト『人事のミカタ』上でサイト利用企業を対象に「社内失業」に関する実態調査を行いました。

 

その結果、予備軍を含め「社内失業者がいる」と回答した企業は23%にも上っています。

 

下記、調査結果を見ていきます。

 

社内失業とは?

社内失業とは、「労働者が正社員として企業に在籍しながら、仕事を失っている状態」のことをいいます。

 

本調査では、約7割の人がこの言葉を知らない、もしくは名称は知っているが意味は知らないと答えています。

 

実際、社内失業者がどれほどいるのか気になるところですが、2011年の内閣府調査によれば、全国の労働者の8.5%にあたる465万人が該当しました。

 

社内失業者がいる企業は、予備軍を含めて23%!

今回の調査では、現在、社内失業状態の社員がいると答えた企業は23%(いる:6%、いる可能性がある:17%)に上っています。

業種で見ると「メーカー」(28%(いる:7%、いる可能性がある:21%))が最多で、次いで流通・小売り関連(いる:5%、いる可能性がある:20%)、「サービス関連」(いる:8%、いる可能性がある:16%)と続いています。

企業規模別では、「1,000名以上」が41%(いる:11%、いる可能性がある:30%)と顕著で、規模が大きいほど、社内失業者数も増えていく傾向にあるようです。

社内失業者の属性で見ると、年代は「50代」で57%、「40代」で41%、「30代」で26%。

 

役職は「一般社員クラス」が80%と圧倒的でした。

 

職種は「企画・事務職(経営企画、広報、人事、事務 他)」46%と最多で、次いで「営業職(営業、MR、人材コーディネーター他)」で31%となっています。

 

社内失業者発生の要因は「該当社員の能力不足」、企業の対策は「再教育」

社内失業者が発生する要因として、「該当社員の能力不足」(70%)が最多で、次いで、「該当社員の異動・受け入れ先がない」(51%)「職場での人間関係が悪い」(26%)が続きます。

企業としての今後の対策としては、「該当社員への教育」(35%)が最多で、次いで「特に何もせず、状況を見る」(22%)「職階の見直し」(21%)「自己啓発(学び直し等)の支援」「賃金体系(基本給)の見直し」(いずれも20%)を検討しているとしています。

“仕事をしている風のまま、定年を目指しているように感じる。やる気の無さや意識の薄さをどのように改善させていけばよいのかが課題である”“解雇したいが、モンスター社員なので、訴訟を起こされる可能性があり、解雇できない”“成果が出なくても他の人と同じ基本給がもらえるので、比べたとき周りの士気を下げてしまう可能性がある”―社内失業についての具体的な悩みや課題の声が上がっており、企業は手を施そうと検討・対応するも、社内失業者本人の改善意識が希薄で対応には苦慮しているようです。

【参考】エン・ジャパン「800社に聞いた「社内失業」実態調査」

https://corp.en-japan.com/newsrelease/2019/16439.html

 

今年も花粉症シーズン本格化 

今年も多い飛散量

今年も2月から多くの地域で花粉が飛散し始め、花粉症シーズンが到来しています。

 

毎日花粉症の症状に悩まされているという方も多いのではないでしょうか。

日本気象協会の予測によると、今年は例年より全国的に飛散量が増える地域が多いようです。

 

仕事にも悪影響が出て生産性が下がるというようなケースもあり、企業としても悩ましい時期と言えそうです。

 

花粉症の人が4割という結果も

インターワイヤード株式会社がネットリサーチの『DIMSDRIVE』で実施した「花粉症」についてのアンケート調査(2018年12月20日~2019年1月11日に実施、3,844人回答)によると、現在花粉症である人は全体で39.2%と4割近くにも上るそうです。

 

男女とも40代が最も多く、男性で45.1%、女性で43.2%と半数に迫る勢いです。

 

もちろん地域差はありますが、この数字をみる限り、花粉症は「国民病」として蔓延している病だと言えます。

 

春に発症が9割

また、同アンケート調査によると、花粉症を発症する時期として「春」と回答した割合が最も多く、95.2%となっています。

 

「秋」と回答した人も多いですが(29.6%)、約4割の人が「3月頃が最も症状がつらい時期」とも答えており(次いで4月頃34.9%、5月頃12.0%)、今が最も花粉症の症状が出やすい季節であることがわかります。

 

早めの対策を

「鼻水が止まらない」「目がかゆい」「くしゃみが止まらない」などにより、仕事上も支障を来しやすい花粉症の症状。仕事の効率を下げるだけでなく、ストレスにもつながりやすく、その影響はなかなか無視できないものです。

 

できる限りの対策をとりつつ、この時期を乗り越えていきたいものです。

【参考】インターワイヤード「花粉症」に関するアンケート結果

http://www.dims.ne.jp/timelyresearch/2019/190220/

 

気になる!企業のソーシャルリスク対策の実態 

従業員の不適切動画投稿問題で改めて問われる企業の対策

飲食店やコンビニの従業員が投稿した不適切動画問題が、企業の評判に悪影響を及ぼしかねない事件が、立て続けに起こりました。

対応については、従業員に損害賠償請求訴訟を起こす決定をした企業、全店休業して社員研修を行う決定をした企業と様々ですが、SNSを活用する企業も個人も増えている中では、いつ問題に巻き込まれても不思議はありません。

まだ社会人としての自覚に乏しい新入社員の入社も近づくこの時期は、自社の対策を確認しておくべき時期とも言えるでしょう。

 

多くが何らかの対策を講じており、4割が研修を実施

ウェブサイトやアプリのユーザーサポート等を行うアディッシュ株式会社が、2018年12月に行った調査によれば、ソーシャルリスク対策について「未実施。今後も実施なし」と回答したのは5.2%で、多くの企業が対策を行っています。

具体的な内容を実施率で見ると、「研修の実施」39.1%、「ガイドライン作成」37.2%、「マニュアル作成」30.9%が上位に入っています。

しかしながら、従業員数別に見ると100人以上300人未満の研修の実施率が50%であるのに対し、100人未満では19.1%と、十分な対策が取られていない可能性があります。

 

雇入れ時に自筆の誓約書を書かせるのも有効?
人事コンサルタントの増沢隆太氏によれば、研修の実施や朝礼時の啓発を継続的に行うとともに、雇入れ時に、自筆で、バイトテロを起こした場合の損害賠償を約束させる誓約書を取り交わすのが望ましいそうです。

 

例えば、店舗普及に必要な清掃や消毒、商品の廃棄や巷間、休業補償などを当事者負担で行うことを明文化しておくのだそうです。

用意された誓約書にサインさせるのではなく、従業員自身に内容を書かせることが、バイトテロ行為を行うことのリスクを自覚させるのに有効だということです。

 

未実施の場合は早急に対策を検討しましょう

不適切動画を投稿した本人による「せいぜいクビになるだけ」という趣旨の発言が報道にもありましたが、不適切動画の投稿はスマートフォン1台あれば簡単にできますし、投稿する従業員自身も社会問題に発展しかねないリスクを自覚していない可能性があります。

新入社員だけでなく、既存の従業員も対象に、一度研修の実施を検討してはいかがでしょうか。

 

インターンシップ 中小企業での導入判断は慎重に 

ルールは当面現状維持

就活ルールをめぐっては、経団連が今の大学2年生以降(2021年春入社)についてはルールを作らないと決定し、代わりに政府の主導により、企業説明会は大学3年生の3月、面接は4年生の6月解禁としている現行ルールを、当面維持する方針となっています。

政府は、インターンシップについても、「就業に直接結び付けるインターンシップは禁止」(罰則などはありません)とすることを経済界に要請する方針です。

 

中小企業での導入判断は慎重に

経団連が2018年に実施したアンケートでは、広報活動の解禁前のインターンシップについては、88.2%の会員企業が実施していました。

 

現在も解禁前の選考を兼ねていたり、会社説明会と内容が変わらなかったりするインターンシップは禁じられていますが、実際には「採用とは無関係」という建前は形骸化しているようです。

 

インターンシップは学生の夏休みに合わせて行う企業が多く、募集・申込みは3年生の6月が最も多いため、これから山場を迎えます。

ただし、他の人がしているのでとりあえず申し込むというような学生もいるようですし、中小企業ではインターンシップをきっかけとして採用につながる件数はそれほど多くないのが実際のようです。

 

企業としては新しい人材の発掘の場としたいところですが、学生側では「今後の就職活動に役立てたい」との気持ちが強いと思われます。

 

継続して実施していく中で教育機関とのつながりが充実し、結果的に良い人材の獲得につながる可能性が増えると考えたほうがよいでしょう。

 

中小企業でインターンシップを行うかどうかは慎重に判断すべきでしょう。

 

法的リスクも

インターンシップの内容などから、インターンシップ生が労働者に該当する場合があります。

 

労働者にあたる場合には労働関係法規(労働基準法をはじめ、男女雇用機会均等法、最低賃金法、労働安全衛生法、労災保険法など)が適用されることになります。

 

また、インターンシップ中の事故や機密漏えい、ハラスメント等についても会社は対応を検討しておく必要があります。教育機関との覚書や学生用の誓約書など、書式も必要となるでしょう。

インターンシップを行うことが普通のことになりつつあり、メリットもある一方で、その実施に際しては事前準備が大切です。

 

「春眠暁を覚えず」の季節、『睡眠』について考えてみましょう 

「睡眠」の量と質が及ぼす影響

突然ですが、皆さん、睡眠はしっかり取れていますか?

 

最近の陽気も手伝って、日中、ついウトウトしてしまうことはないでしょうか?

良質な睡眠が取れなかったり、必要な睡眠時間が確保できなかったりすると、心身のバランスが崩れてしまい、肥満や内臓疾患、うつ病等の精神疾患を発症するリスクが高まります。

 

また、就業中に睡魔に襲われれば、業務効率の低下や作業ミスの増加、サービスレベルの低下といった問題が生じ、生産性にも悪影響を及ぼします。

 

睡眠不足を原因とした経済損失は、実に15兆円にものぼるといわれています。

 

健康経営の重要テーマにもなっている「睡眠」

「睡眠」は、現在、健康経営を考える上での重要なテーマの1つともなっています。

健康経営とは、従業員の健康管理・健康増進を経営課題としてとらえ、その実践を図ることで企業の生産性向上を目指そうとする経営手法のことです。

 

企業が取り組むべき様々な健康事業の中でも、「睡眠」は、多くの疾患を予防することができ、また企業の生産性の向上が期待できる重要な要素として、その量や質の向上にいかにアプローチするか、関心を集めています。

 

「睡眠」への企業の取組み事例

睡眠の量と質の向上を図るため、近時は、従業員向けに睡眠についての研修を実施する企業も増えてきました。

 

睡眠のメカニズムといった基礎知識と、快眠のための体操・リラックス法を学ぶことで、睡眠の質・量を高めることがねらいです。

また、株式会社CRAZYの「睡眠報酬制度」(1週間の中で、6時間以上の睡眠を5日間確保した社員に報酬を渡す制度)は話題となりました。

関心の高まりもあって、「睡眠」についての様々な取組みが始まっています。健康経営の実現のための第1歩として、皆さんも、改めて「睡眠」について考えてみませんか。

深刻化する「引っ越し難民」への対策は? 

「引っ越し難民」とは?

毎年3月から4月は、異動による転勤や進学、就職などにより引っ越しの依頼が集中し、引っ越し業者は繁忙期に入ります。

 

近年、業界全体のトラック運転者の人手不足や働き方改革への取組みによる受入れ件数の抑制などの影響により、「引っ越し業者が見つからない」「希望する日程で引っ越しができない」といった「引っ越し難民」が相次ぎ、問題が深刻化しています。

 

国や業界団体が呼掛け

国土交通省と業界団体は、「引っ越し難民」発生防止策として、大手引っ越し会社の今春の予約状況を公表し、引っ越し時期の分散(「2月または4月中旬以降」に検討)を呼び掛けました。その結果、昨年よりも2月から3月上旬の予約件数が増えたことが明らかになりました。

 

企業側の対応策

国土交通省は、4月に異動をする職員を対象に業務の支障のない範囲で、4月8日以降に勤務開始日を後ろにずらすことを認める方針を示しました。

 

企業側の対応策としても、引っ越し業者の繁忙期は他の時期に比べ料金が高くなることが多いことから、異動による転勤の時期をずらして引っ越しにかかる費用を抑える動きが出てきているようです。

 

ドライバー不足が深刻

国土交通省によると、トラックドライバーの有効求人倍率は3.03倍(2019年1月時点)と、人手不足は深刻な状況です。引っ越し業界では、繁忙期のドライバーや作業員の確保が難しくなっています。

企業で転勤に伴う引っ越しを要する従業員がいる場合は、早めにスケジュールを立てることや繁忙期を避けることを検討してみてはいかがでしょうか。

一般化するリファラル採用と、その留意点 

「リファラル採用」とは

リファラル採用(referral recruiting)をご存知でしょうか。

 

いわゆる縁故採用の一種で、「自社従業員に、採用候補者を紹介してもらう採用(制度)」をいいます。

最新調査結果

株式会社リクルートキャリア「リファラル採用で声をかけられた人の実態調査」によれば、「リファラル採用の制度がありますか」という質問に対し、「制度があり、推進している」が48%、「制度があるが、推進していない」が23%と、回答企業の7割以上で社内制度化されています。

ほかにも、「知人の会社に誘われた人のうち、実際に選考を受けた人」が54.8%にのぼるなど、広く行われている結果となりました。

 

「リファラル採用」という言葉が広まったのは最近のことですが、従業員(以下「紹介者」)の紹介による採用は、珍しいことではありません。

 

リファラル採用のメリット

企業にとっては、リファラル採用のメリットとして、「採用のミスマッチが起こりにくい」(紹介者が詳細に企業説明をするため)、「定着率が高い」(紹介者による入社後のアフターフォローのため)、「採用コストが低い」、「通常の採用活動では応募しないような人材を採用できる」、などが挙げられます。

一方、デメリットとしては、「不採用とした場合の、人間関係悪化」、「紹介者が退職した場合の、採用者の意欲低下」などが懸念されることがあります。

紹介者へのインセンティブの相場

採用に至った場合、紹介者にインセンティブ(成功報酬)を支払う場合もあります。

エン・ジャパン株式会社「リファラル採用(社員紹介)意識調査」によれば、リファラル採用実施企業の44%が、紹介者へインセンティブを支給しています。

 

また、その支給額は「3万円から10万円」が最多(52%)とのことです。

 

インセンティブ支給の留意点

紹介者にインセンティブ支給の際は、「賃金として支払う必要がある」点に留意しましょう。

 

「被用者で当該労働者の募集に従事するもの」に「賃金、給料その他(略)報酬」以外を支払うことは、職業安定法40条(報酬の供与の禁止)違反となるからです。

リファラル採用を社内制度化するにあたっては、労働局等に相談のうえで、就業規則や賃金規程に明文化するとよいでしょう。

【参考】リクルートキャリア「リファラル採用で声をかけられた人の実態調査」

https://www.recruitcareer.co.jp/news/pressrelease/2018/181101-01/

エン・ジャパン「リファラル採用(社員紹介)意識調査」

https://corp.en-japan.com/newsrelease/2017/11266.html

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