HRインフォメーション(2019年7月)

ユースエール認定取得で外国人留学生採用も有利に

日本での就職要件緩和により注目される「外国人留学生」

外国人留学生を採用したい企業が増える一方、日本での就職を希望する外国人留学生の就職先の選択肢が制限されていて断念してしまうケースが少なからずあったため、今年5月に法務省告示が改正されました。

改正により、大学等で学んだ分野以外を就職先とする就職活動が可能になり、今後、日本で就職する外国人留学生が増えることが見込まれます。

 

どんな働き方が可能になる?

改正の内容は、高い日本語能力を有し大学または大学院を卒業した外国人留学生を対象に、在留資格「特定活動(就職活動)」による入国・在留を認めるものです。

出入国在留管理庁ガイドラインでは、具体的な活動例として、

(1)飲食店、小売店、ホテル・旅館での接客や販売の業務

(2)他の外国人従業員に日本人従業員の作業指示を伝えながら行う工場のライン業務

(3)観光客向けツアー企画・立案や通訳を兼ねながら行うタクシードライバー業務

(4)他の外国人従業員等の指導を行いながら行う介護業務

が挙げられています。

 

企業が行う受入手続も軽減

外国人材受入れに必要な手続きは企業分類により異なり、中小企業に限って企業の沿革や主要取引先等を明記した企業概要、登記事項証明書、直近の決算書、労働条件通知書、留学生の卒業証明書等の提出が求められます。

そのため、2018年12月に負担軽減策を講じることが決定され、2019年4月より、厚生労働省のユースエール認定企業が、在留資格「留学」「特定活動(就職活動)」の外国人材を採用する場合には、上記書類の提出が不要となりました。

 

採用活動を有利にするユースエール認定

2019年6月時点の認定企業は554社で、2年前と比較して2倍超に増えています。

 

(1)ハローワークでの重点的なPR

(2)若者雇用促進総合サイトでの紹介

(3)認定企業限定就職面接会への参加、(4)対象助成金の助成額アップ

(5)日本政策金融公庫の低利融資

などのメリットに魅力を感じ、若年者層を採用したい企業で取得が進んでいるようです。

 

人手不足にお悩みの企業は、取得を検討してみてはいかがでしょうか?

 

職場におけるハラスメントの実態の連合調査から

連合は、国際労働機関(ILO)の総会で「仕事の世界における暴力とハラスメント」に関する条約案が採択されるよう、日本政府に条約案の支持と採択後の批准を求めていますが、このたび、職場や就職活動におけるハラスメントの実態を把握して条約の必要性をアピールするため、「仕事の世界におけるハラスメントに関する実態調査2019」をインターネットリサーチにより実施しました(対象は全国の20 歳~59 歳の有職者1,000 名)。

 

その調査結果の一部を紹介します。

ハラスメントの有無

「職場でハラスメントを受けたことがある」と答えたのは全体の38%。決して少なくない数です。そして、そのうちの54%が「仕事のやる気がなくなった」と回答しています。また、22%が「心身に不調をきたした」、18.9%が「仕事を辞めた・変えた」と答えています。

ハラスメントの種類

「受けたことのあるハラスメントの内容」については、「脅迫・名誉棄損・侮辱・ひどい暴言などの精神的攻撃」が最も多く41.1%、「業務上明らかに不要なことや遂行不可能なことの強制、仕事の妨害などの過大な要求」が25.9%等、パワーハラスメント(以下、パワハラ)に該当しうる行為を受けたという人が散見されました。

 

「セクシャル・ハラスメント」(以下、セクハラ)は26.7%で、男性よりも女性のほうが高く、女性の約4割が受けたと答えています。

ハラスメントの相手

“上司”からのハラスメントで多いのは、「脅迫・名誉棄損・侮辱・ひどい暴言などの精神的攻撃」が最も多く28.1%、“同僚”からのハラスメントは、「人間関係からの切り離し」が19.4%と最も高くなりました。

 

また、“取引先”からのハラスメントでは、「セクハラ」が28.1%、“顧客”からのハラスメントでは、「精神的な攻撃」が23.3%で最も高くなりました。

ハラスメントを受けた時の相談相手

ハラスメントを受けた時、56%が誰かしらに相談していて、その相手として多いのが、「職場の上司・先輩」(23.7%)、「職場の同僚」(18.1%)、となっています。

 

一方で、ハラスメントを受けたことのある人の半数近くが「誰にも相談しなかった」と回答していますが、その理由は、「相談しても無駄だと思ったから」が圧倒的の67.3%でした。

就職活動中におけるセクハラ

就職活動を行った人(835名)への就職活動中にセクハラを受けたことがあるかという質問に対しては、89.5%が「受けたことはない」との回答でした。

 

「受けたことがある」10.5%のうちでは、20代男性が最も多く、5人に1人の割合であることがわかりました。

また、セクハラの内容としては、「性的な冗談やからかい」(39.8%)、「性的な事実関係(性体験など)の質問」(23.9%)、「食事やデートなどへの執拗な誘い」(20.5%)となっています。

 

「性的な冗談やからかい」は、主に“人事担当者”から受け、「食事やデートへの執拗な誘い」や「性的な関係の強要」といったハラスメントは、“OB・OG”から受けたとの回答が目立ちました。

条約の行方はともかく、ハラスメントへの対策は、当事者が傷つくばかりではなく、企業イメージを損ね、採用や人材定着にも影響を与えるものです。

 

企業にも一層の気遣いが求められるところです。

 

マイナンバーカードの普及・利活用の促進と企業実務への影響

政府の方針

6月4日のデジタル・ガバメント閣僚会議で、「マイナンバーカードの普及とマイナンバーの利活用の促進に関する方針」が公表されました。その柱は下記の4点です。

1.自治体ポイントの活用(令和2年度;消費活性化策)

2.マイナンバーカードの健康保険証利用(令和3年3月から)

3.マイナンバーカードの円滑な取得・更新の推進等

4.マイナンバーカードの利便性、保有メリットの向上、利活用シーンの拡大

このうち企業の実務に影響があるのは、2の健康保険証利用です。

健康保険証への利用実現へ向けて

マイナンバーカードを健康保険証として利用することにより、①医療の質の向上、②被保険者の利便性の向上が期待されますが、環境整備も必要です。

 

医療機関側でマイナンバーカード利用のための端末、システムを整備するための支援が検討課題です。

保険者からも円滑な移行を促すため、保険者から事業主、加入者等へのマイナンバーカード取得要請とそのフォローアップを行うとともに、保険者による被保険者のマイナンバーカードの初回登録の促進を図るとされています。

 

企業の総務事務の効率化を促進するための方策

マイナンバーカードの健康保険証利用は、企業の健康保険に係る事務のコスト縮減につながることが期待されます。

 

さらに、マイナンバーカードの民間活用等を通じて社員の健康管理への活用等が促進されるよう、モデル事業等を行うとされています。

また、マイナンバーカードの社員証等の各種証明としての活用が促進されるよう、利用手続の簡素化等を実施するとともに、令和2年11月頃より、企業が行う従業員の社会保険・税手続のワンストップ化を開始できるよう取組みを推進します。

あわせて、令和2年4月より、情報システムに係る調達等において、マイナンバーカードの普及実績等を評価する仕組みを導入します。

 

社会保険・税手続きのワンストップ化の流れ

政府の報告によれば、従業員の採用、退職等のライフイベントに伴う社会保険・税手続きについては、①令和2年11月からマーナポータルを通じたオンライン・ワンストップ化を開始し、②令和3年度後半から、企業が保有する情報のクラウドを活用した提出の実現を目指すとされています。

 

マイナンバーカードの普及はそれに向けての重要な役割を担っており、情報漏洩のない安全な運用が期待されます。

 

 

6月は「外国人労働者問題啓発月間」です

「外国人労働者問題啓発月間」とは

厚生労働省は、毎年6月を「外国人労働者問題啓発月間」と定めており、今年は「知って守って働きやすく! ~外国人雇用はルールを守って適正に~」を標語に、労働条件などルールに則った外国人雇用や高度外国人材の就職促進について周知・啓発活動を行っています。

入管法改正で注目されている外国人雇用

外国人労働者の受入れ拡大に向けた改正出入国管理及び難民認定法(入管法)が、今年の4月から施行されており、新聞やテレビでも、外国人労働者にまつわるニュースが頻繁に取り上げられています。

 

人手不足が叫ばれている分野では、人材確保のために「外国人雇用」を検討していく企業も増えるのではないでしょうか。

厚生労働省の取組み

啓発月間には、以下のようなことが行われています。

(1) ポスター・パンフレットの作成・配布

 

(2) 事業主団体などを通じた周知・啓発、協力要請

 

(3) 個々の事業主などに対する周知・啓発、指導

 

(4) 技能実習生受入れ事業主などへの周知・啓発、指導

 

(5) 各種会合における事業主などに対する周知・啓発

 

(6) 留学生就職支援窓口の周知

 

(7) 労働条件などの相談窓口の周知

特にハローワークでは、「外国人労働者の雇用管理の改善等に関して事業主が適切に対処するための指針」(外国人雇用管理指針)に基づき、事業所を訪問して雇用管理の改善指導を実施したり、外国人雇用管理セミナーを開催したりするとしています。

 

外国人雇用については今後も情報収集が必要

4月から改正入管法により導入された新在留資格「特定技能」についてなど、今後も外国人雇用にまつわる制度については改正事項が多くみられそうです。

 

企業としても引き続き動向に注意していきましょう。

 

職場における熱中症対策

激増する熱中症死傷者数

厚生労働省の発表により、昨年に職場で熱中症にかかった人のうち、死者が28人、労災の報告義務がある4日以上の休業者が1,150人にのぼったことが判明しました。

 

記録的な猛暑を背景に、いずれも前年から倍増しており、4日以上の休業者が1,000人を超えるのは、恐らく過去最悪の数字だということです。

屋内作業でも要注意!かかりやすいのはどんなとき?

業種別では、従来から発生数の多かった建設業のほか、屋内作業が比較的多い製造業や運送業も前年からほぼ倍増しています。

 

熱中症が発生しやすいのは、気温が高い日だけでなく、梅雨の中休みや梅雨明け時など急に暑くなったとき、熱帯夜が続いたとき、照り返しが強い場所などです。

 

それほど気温が高くなくても湿度が高い場合は発生しやすくなります。

熱中症の諸症状

初期症状では、めまいや立ちくらみ、また、一時的に意識が遠のく、腹痛を感じる場合もあります。

 

この状態で、意識がハッキリしているようであれば、すぐに涼しいところで休ませ、衣服を緩めて風通しをよくし、体を冷やして適切に水分補給すれば、多くの場合は改善します。

 

しばらく様子を見ても症状が改善しない、まっすぐ歩けない、自力で水分補給できない場合には、すぐに医療機関を受診しましょう。

 

また、意識がない場合には救急車を呼びましょう。重症が疑われる場合は、病院へ運ぶまで一人きりにしないことも重要です。

職場でおこなうべき熱中症への予防策

厚生労働省では、「STOP!熱中症クールワークキャンペーン」を展開し、職場での熱中症予防のための重点的な取組みを進めています。

 

まずは、暑さ指数計の準備、熱中症予防管理者の選任、適切な作業計画の策定、緊急時措置の確認、教育研修を行うなど、管理体制の整備が必要です。

 

その後、以下のような対策をしていきましょう。

①暑さ指数(WBGT値)の把握

②休憩場所の整備

③涼しい服装の推奨

④作業時間の短縮(暑さ指数に応じて休憩)

⑤熱への順化(暑さに徐々に身体を慣らす)

⑥水分・塩分の摂取 (定期的な水分・塩分摂取)

⑦健康診断結果に基づく措置(リスクの高い疾患がある従業員には人員配置の際に医師の意見を聞く)

⑧日常の健康管理

⑨労働者の健康状態の確認

⑩熱中症予防管理者による巡視

【厚生労働省「令和元年 「 STOP!熱中症 クールワーク キャンペーン 」 実施要綱」】

https://www.mhlw.go.jp/content/11200000/000510255.pdf

 

協会けんぽの様式が変更になりました

新システムへの移行に伴う変更

5月末より協会けんぽの様式が一部新しくなりました。新しくなった主な様式は、次のとおりです。

・健康保険 傷病手当金支給申請書

・健康保険 出産手当金支給申請書

・健康保険 出産育児一時金支給申請書

・健康保険 出産育児一時金内払金支払依頼書・差額申請書

・健康保険 埋葬料(費)支給申請書

・健康保険 高額療養費支給申請書

・健康保険 療養費支給申請書(治療用装具)

・健康保険 療養費支給申請書(立替払等)

変更内容は、主に数字を記入する欄(金額や年月日)がマス目になったところで、機械による読み取り精度を向上するためとのことです。

 

新様式はすぐに使用することができます。また、これまでの様式も引き続き使用できるとのことです。

 

改元に伴う変更

また、改元に伴い、様式の該当部分が新元号の令和に改められています。

 

変更前の様式も使用できますが、その際は「平成」を二重線で消し「令和」に直した上で使用してほしいと、協会けんぽでは案内しています。

なお、任意継続保険料や医療費の返納、および情報開示手数料等にかかる納付書について、改元前に発行された「平成」表記のものは、そのままでも有効に使えます。

デジタルファースト時代へ

一方、5月24日に、行政手続を原則として電子申請に統一するための法律(いわゆるデジタルファースト法)が成立しました。

 

今後、社会保険関係の手続きやマイナンバーの利用などについて、関連する法律が変更され、詳細も順次公表されるものと思われますので要注目です。

 

時代の流れに伴い、手続きもどんどんと変わっていきます。

 

しかし、電子申請の時代になっても、社員からの相談・問合せに一番初めに対応するのは人事労務担当者ですから、常に最新の情報に注意しておきたいですね。

【協会けんぽ関連ページ】

http://www.kyoukaikenpo.or.jp/home/g5/cat550/sb5020/010531

https://www.kyoukaikenpo.or.jp/g1/h31-4/20190416001

 


女性の健康に配慮すると生産性が上がる!

「健康経営」の新たな視点

「女性の健康問題」への関心が高まっている

「企業の健康対策」と言われたら、どのようなものを思い浮かべますか?

メタボ対策、生活習慣病対策、禁煙対策といったところでしょうか。

実は近時、健康経営を積極的に推進する企業においては、「女性特有の健康問題対策」に対する関心が高まっています。

 

女性特有の健康問題に対応することで実現できること

職場における女性の健康に関する現在の課題について、経済産業省は、「女性が比較的多い職種における課題」「月経における課題」「女性特有の疾病における課題」「妊娠・出産における課題」「更年期障害における課題」を挙げ、これらに対応することで、「アブセンティーイズムの改善」「プレゼンティーイズムの改善」「長期的な人材活用」「エンゲージメントの向上」を図ることができるとしています。

例えば、女性特有の月経随伴症状等による労働損失は4,911億円と試算されています。

 

また、働く女性のうち17.1%が婦人科疾患になり、その経済的損失額は医療面・生産性面あわせて6.37兆円に上るとの試算もあります。

 

健康経営を通じて女性の健康問題に対応し、女性が働きやすい社会環境の整備を進めることができれば、生産性向上や企業業績向上に結びつきます。

女性の健康に対するサポート

女性の健康については、テレワークやシフト改善、休暇制度などシステムの整備に加え、不調等について相談できる、産業医やカウンセラーによる相談窓口を設置することが有効です。

 

また、特に男性の上司には心理的に相談しにくい、上司側も的確なアドバイスができないといった面もあるため、管理職側がどのような対応をすべきか相談できる窓口があるとよいでしょう。

さまざまな課題に対応するため、女性の健康関連サービスも提供されるようになっています。

 

これらを利用することも一考に値します。

 

いよいよ発効する日中社会保障協定

9月1日から日中社会保障協定が発効に

「社会保障に関する日本国政府と中華人民共和国政府との間の協定(日・中社会保障協定)」の効力発生のための外交上の公文の交換が、5月16日に北京で行われました。これにより、令和元年9月1日から協定の効力が生ずることになります。

昨年5月に日中の間で署名が行われましたが、日本側では社会保障協定は条約に該当し、国会の承認を得ることを必要としたため、発効までに時間を要したものです。

社会保障協定はなぜ行われる?

社会保障協定は、①「保険料の二重負担」を防止するために加入するべき制度を二国間で調整する(二重加入の防止)、②保険料の掛け捨てとならないために、日本の年金加入期間を、協定を結んでいる国の年金制度に加入していた期間とみなして取り扱い、その国の年金を受給できるようにする(年金加入期間の通算)、ために締結しています(ただし、イギリス、韓国、イタリアおよび中国については、①の保険料の二重負担防止のみ)。

現在、日本は、ドイツ、イギリス、韓国、アメリカなど22カ国と協定を署名しており、うち19カ国は発効しています(署名済未発効の国:イタリア、中国、スウェーデン)。

 

日中社会保障協定の効果

これまで、日・中両国の企業等からそれぞれ相手国に一時的に派遣される被用者(企業駐在員等)等には、日・中両国で年金制度への加入が義務付けられていたため、年金保険料の二重払いの問題が生じていました。

 

日中社会保障協定は、この問題を解決することを目的としており、この協定の規定により、派遣期間が5年以内の一時派遣被用者は、原則として、派遣元国の年金制度にのみ加入することとなります。

 

要するに日本から中国に5年以内の期間を予定して派遣される人は、中国の年金制度に加入する義務は免除され、引き続き、国民年金または厚生年金に加入するということです。

 

一方、中国から日本に同様に派遣されてくる人は、日本の年金制度への加入が免除され、引き続き、中国の年金制度に加入し続けることになるのです。

在中国在留邦人数(永住者を除く)は、121,095名(うち民間企業関係者(本人)70,135名)に上ります(平成29年10月現在)。

 

協定が発効すれば、企業、駐在員等の負担が軽減されますし、さらに日本企業の競争力向上や日・中両国の人的交流が一層促進されることが期待されています。

 

就職氷河期世代、ひきこもりの就業支援策

3年間で30万人を正規雇用に

政府は、6月下旬に閣議決定される「経済財政運営と改革の基本方針(骨太の方針)」の原案に、30代半ばから40代半ばの就職氷河期世代を対象とした支援プログラムを設け、今後3年間で正規雇用者を30万人増やす数値目標を掲げることを盛り込みました。

支援プログラムは、バブル崩壊後の1993~2004年頃に大学や高校を卒業したいわゆる就職氷河期世代の非正規雇用者(少なくとも50万人)や、ひきこもり状態にある人を含めた約100万人を対象とし、これらの人たちの実態やニーズを明らかにし、必要な人に支援が届く体制を構築することを目指すとしています。

 

具体的な施策は?

骨太の方針の原案に盛り込まれた支援プログラムの具体的な施策としては、厚労省が5月にまとめた「就職氷河期世代活躍支援プラン」に、以下のような項目が掲げられています。

・人材紹介会社が教育訓練や職場実習等を行い、正規雇用につなげる事業の創設

・ハローワークに専門窓口を設置し、担当者によるチーム支援を実施

・建設業や運輸業等の業界団体を通じて短期間で資格等が習得できる訓練コースを創設

・「特定求職者雇用開発助成金(安定雇用実現コース)」の活用促進

地域ごとのプラットフォームの形成・活用

同プランでは、就職氷河期世代等の対象者の就職・社会参加を実現するために、自立相談支援機関や地域若者サポートステーション、ハローワーク、経済団体、ひきこもり家族会等が市町村レベルのプラットフォームを整備していき、支援の輪を広げていくとしています。

 

また、関係省庁・経済団体との連携、地域ごとのプラットフォームの活用等のあらゆるルートに通じた戦略的な広報を展開していくとしています。

 

社会保険適用拡大も?

さらに、関連施策として、次期年金制度改正に向けて短時間労働者等へのさらなる適用拡大が検討されています。

 

就職氷河期世代やひきこもり状態にある人の就労支援や職業的自立の促進等につながるため改正が期待されます。

【内閣府「就職氷河期世代支援プログラム関連参考資料(内閣府)」】

https://www5.cao.go.jp/keizai-shimon/kaigi/minutes/2019r/0611/shiryo_01.pdf

【厚生労働省「就職氷河期世代確約支援プラン」】

https://www.mhlw.go.jp/content/12601000/000513529.pdf

 

男性の育児休業取得率とパタハラ

育児休業取得率、女性は高水準・男性は低調

厚生労働省「平成30年度雇用均等基本調査(速報版)」により、最新の育児休業取得率(調査対象事業所における、出産者(男性の場合は配偶者が出産者)のうち育児休業を開始した者の割合)が判明しました。

女性の取得率は82.2%で、10年以上高水準で安定しています。

 

その一方、男性の取得率は6.16%ということで、6年連続で上昇してはいますが、依然としてきわめて低調です。

男性の育児休業を促進する動き

そのような中、6月5日、自民党の有志議員が「男性の育児休業義務化」を目指す議員連盟の設立総会を開きました。

 

議連は、本人からの申請がなくても、企業から「育児休業を取らないのか」と促すことを義務付ける仕組みの制度化を目指すとし、育介法の改正などを視野に活動するとしています。

パタハラ疑惑で炎上する企業

おりしも、大手化学メーカーにおいて、パタニティ・ハラスメント(男性の育休取得者への嫌がらせ)疑惑が取りざたされています。

 

報道等によれば、ある男性社員が約1カ月弱の育児休業休職を取得したところ、職場復帰した翌日に転勤を命じられ、その後の転勤時期をずらす交渉等もまとまらず、退職を余儀なくされたといいます。

 

男性の妻が、社名をほのめかした発信をTwitter上で行い、またたく間に社会問題化してしまいました。

同社は「くるみん」(厚生労働省による子育て支援に積極的な企業への認定マーク)を取得していたため、前述の議連からも「くるみんを取得していても、あのような事例があったのは残念」と名指しでコメントされる等、望ましくない事態となっています。

 

違法性がなければよい、とは限らない

法律上、使用者は「労働者の子の養育(略)の状況に配慮しなければならない」(育介法26条)とされていますし、必要性のない配置転換であれば「権利の濫用」(労契法3条5項)とみなされる恐れもあります。

 

また、違法性がないとしても、ハラスメント行為と世間からみなされることとなれば、上記化学メーカーのように大きなイメージダウンとなり、企業活動にも支障をきたすことでしょう。

法律の正しい理解と、マタハラ・パタハラを生まない職場づくりが大切です。

【厚生労働省「平成30年度雇用均等基本調査(速報版)」】

https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_05049.html

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