介護保険料の徴収時期の判別ポイント

                       大須賀信敬(組織人事コンサルタント)


企業では社員が40歳になると介護保険料の徴収を始め、65歳になると徴収を終えなければならない。ところが、介護保険料の徴収開始月と終了月は誤りやすいという特徴がある。そこで今回は、介護保険料の徴収時期について整理をしてみよう。



「40歳到達月の保険料から65歳到達月の前月の保険料まで」が対象


企業が社員から介護保険料を徴収するのは、原則として社員が40歳になった月の保険料から65歳になった月の前月の保険料までである。ここでポイントになるのは、「40歳、65歳になるのはいつか」という点である。


一般的に、40歳になるのは40歳の誕生日と思いがちだが、法律上は40歳の誕生日の前日が40歳になる日とされる。これは年齢計算に関する法律により、誕生日の前日に年齢が1歳増えると考えるためである。


例えば、40歳の誕生日が8月25日の社員の場合、「法律上40歳になる日」は誕生日の前日の8月24日となる。従って、8月が「40歳到達月」であり、この社員については「8月分の介護保険料」から徴収することが必要になる。


同様に、65歳の誕生日が8月25日の社員の場合には、8月が「65歳到達月」となる。従って、企業はその前月である「7月分の介護保険料」まで徴収することになる。まずは、この原則を押さえることが大切である。


徴収の開始・終了が1カ月早まる「1日生まれ」

介護保険料の徴収で特に誤りやすいのが、1日生まれの社員である。


例えば、40歳の誕生日が9月1日の社員の場合、「法律上40歳になる日」は前日の8月31日となる。この場合、実際の誕生月は9月だが、「法律上40歳になる月」は8月なので、この社員については「8月分の介護保険料」から徴収する必要がある。


しかしながら、「9月生まれなので、9月分の保険料から徴収を始める」という誤りが多い。


同様に、65歳の誕生日が9月1日の社員の場合、8月が「65歳到達月」となる。従って、その前月である「7月分の介護保険料」が最後の徴収とならなければならないが、「8月分の介護保険料」まで徴収するミスが起こりやすい。


1日生まれの社員は、実際の誕生月と「法律上、年齢が1歳増える月」が異なるので、注意が必要である。


1カ月遅れる給与からの実際の控除

企業が社員の給与から差し引くのは、原則として前月分の介護保険料である。そのため、例えば8月分の介護保険料から負担義務が生じる社員の場合、実際に給与から保険料を控除するのは「9月に支払う給与」からになる。仮に「8月に支払う給与」から控除を始めた場合、「7月分の保険料」から徴収したことになり、誤りとなる。


同様に、8月分の介護保険料まで負担する社員の場合、実際に給与から最後の介護保険料を控除するのは「9月に支払う給与」である。これを「8月に支払う給与」からの控除を最後とした場合、「7月分の介護保険料」までしか控除をしていないことになってしまう。


社会保険事務を担当する皆さんは、十分、注意をしていただきたい。