新型コロナウイルス感染拡大下における株主総会運営

「新型コロナウイルス感染拡大下における株主総会運営」をはじめ、計5本のHR関係情報をお届けします。


新型コロナウイルス感染拡大下における株主総会運営


経済産業省は法務省とともに、新型コロナウイルスの感染が拡大するなか、より安全に企業が株主総会を開催するために、株主総会の運営上想定される事項についての考え方をまとめた「株主総会運営に係るQ&Å」を公表しました。Q&Åでは、以下の見解が示されています。

〔株主総会運営に係るQ&Å概要〕

  1. ​株主総会の招集通知等において、新型コロナウイルスの感染拡大防止のために出席を控えることを呼びかけることは可能である

  2. 新型コロナウイルスの感染拡大防止に必要な対応をとるために、会場に入場できる株主の人数を制限することは可能である

  3. その際に、株主総会への出席について事前登録制を採用し、事前登録者を優先的に入場させることが可能である

  4. 発熱や咳などの症状を有する株主に対し、入場を断ることや退場を命じることは可能である

  5. 新型コロナウイルスの感染拡大防止に必要な対応をとるために、株主総会の時間を短縮すること等が可能である

開催時期についても柔軟な対応が可能であるとの見解を示しており、定款所定の時期に定時株主総会を開催すべきこととされている会社が、天災等その他の事情によりその時期に定時株主総会を開催できない場合には、当該状況が解消された後、合理的な期間内に定時株主総会を開催すれば足りるとしています。

ただし、定款で定められた定時株主総会の議決権行使の基準日から3か月以内に定時株主総会を開催できない状況が生じたときは、新たに議決権行使の基準日を定めなければなりません。そのためには、当該基準日の2週間前までに、当該基準日および基準日株主が行使することができる権利の内容を公告する必要があります。

上記の見解があっても、実際に株主総会の日程を動かすのは容易ではありません。そこで、経産省は「ハイブリッド型バーチャル株主総会の実施ガイド」(https://www.meti.go.jp/press/2019/02/20200226001/20200226001.html)を策定し、株主に株主総会の開催場所での参加を認めるとともに、株主がオンラインで参加することも許容するハイブリッド型バーチャル株主総会の実施を提案しています。

本来は企業と株主・投資家の対話を促すための環境整備を目的としていましたが、実際に集まることが難しい状況下で、リスクを軽減しつつ株主総会を運営する手段として注目されています。

<参 考>

経済産業省「株主総会運営に係るQ&Å」

法務省「定時株主総会の開催について」

在宅勤務の長期化に備えて情報発信も必要


BIGLOBEが3月に行った「在宅勤務に関する意識調査」によると、新型コロナ拡大防止のための外出自粛は、「4月までが妥当」と考えている方が多いようです。しかしながら、事態の収束については誰にも予想は難しく、在宅勤務が長期化した場合のことも想定しておく必要があります。

在宅勤務を行う上で、「難しい」「ストレスである」と感じるものとして、同調査では、

  • 集中力が続かない

  • 家を出なくなってストレスがたまる

  • 上司や部下に気軽に相談や雑談ができない

といった回答があります。

在宅で仕事をしていると、ともすると堕落してしまう傾向があります。加えて、外出自粛要請の影響もあり、ストレスもたまります。

業務に関することについては、仕事上のこととして対処しやすいとは思いますが、社員の健康確保のためのアドバイスを会社から発信することも、在宅勤務の長期化に伴って必要となってくる可能性があります。

大きな災害時における被災者の心理的反応として、初期の頃は災害後の生活に適応したかに見えるハネムーン期(積極的・発揚的な時期)があり、それを過ぎると、だんだんと幻滅期(消極的・抑うつ的な時期)がやってくるといわれます。

今回のコロナ禍も災害としてとらえれば、長期化した場合を想定して、「閉じこもり生活のアドバイス、宇宙飛行士から潜水艦艦長まで 新型コロナ対策」といった記事を紹介したり、室内でできる運動を紹介するといったことも考えられるでしょう。そこから、何か仕事上のアイデアが生まれるかもしれません。

また、職場の健康診断で生活習慣病の恐れを指摘されている方は、自身の健康を見直す機会になるでしょう。

<参 考>

BIGLOBE「在宅勤務に関する意識調査[第一弾]」

中小企業の連鎖倒産を防止する!

              「経営セーフティ共済」


「経営セーフティ共済(中小企業倒産防止共済制度)」をご存じですか?


特に、中小企業の場合には、売掛金を回収して買掛金を支払うというキャッシュフローで回っていることが多く、突然取引先が倒産して売掛金の回収ができなくなると、自身の会社経営は健全であっても、キャッシュフローが回らなくなって連鎖倒産してしまう恐れがあります。


経営セーフティ共済は、このような連鎖倒産のリスクヘッジに有効な制度です。具体的には、取引先が倒産して売掛金の回収が困難になった場合や、臨時の資金が必要となった場合に、掛金に応じて一定の共済金を借り入れることができます。

加入対象は「1年以上継続して業務を行っている個人事業主もしくは法人」で、業種ごとに一定の「資本金の額または出資の総額」と「従業員数」のいずれかを満たしていれば、加入できます。掛金は月額5,000円~20万円の範囲内で5,000円単位で自由に設定することができ、掛金総額が800万円に達するまで積み立てることができます。

この制度に加入していると、取引先の事業者が倒産し、売掛金などの回収が困難になった場合には、その事業者との取引の確認が済み次第、無担保・無保証人で借入れを受けることができます。上限は、「回収困難となった売掛金債権等の額」か「納付された掛金総額の10倍(最高8,000万円)」の、いずれか少ないほうの金額です。

また、この制度には、確定申告の際、掛金を、法人の場合には損金に、個人事業主の場合には必要経費に算入できるなどの節税効果もあります。さらに、一定の月数、掛金を納めていれば、共済契約を解除した場合も解約手当金を受け取ることができます。

制度を運営する独立行政法人中小企業基盤整備機構によると、平成30年3月末時点で、約46万の企業・事業者等が加入しており、共済金の貸付実績は累計で約27万件、約1兆9,000億円となっています。

中小企業の「万が一」をサポートする資金調達手段として、加入を検討してみませんか。

新型コロナウイルス感染拡大防止に向けた

                 職場における対応


令和2年3月31日、新型コロナウイルス感染症の大規模な感染の拡大防止に向け、厚生労働省から労使団体に向けて『新型コロナウイルス感染症の大規模な感染拡大防止に向けた職場における対応について(要請)』が出されました。

感染拡大防止には換気の悪い密閉空間、多くの人が密集、近距離での会話の3つの条件が同時に重なる場を避けることが重要であり、職場では次の対策が求められることを要請文では説明しています。

  • 換気の徹底等

     …職場の建物の窓が開閉可能な場合は、1時間に2回程度、窓を全開して換気を

      行うこと。​

  • 接触感染の防止

     …電話、パソコン、フリーアドレスのデスク等については複数人での共用をでき

      る限り回避すること。物品・機器等について、こまめに消毒を実施すること。​

  • 飛沫感染の防止

     …テレビ会議、電話、電子メール等の活用により、人が集まる形での会議等をで

      きる限り回避すること。社員食堂での感染防止のため、座席数を減らす、昼休

      み等の休憩時間に幅を持たせて利用者の集中を避ける等の措置を講じること。

      疲労の蓄積(易感染性)につながるおそれがある長時間の時間外労働等を避け

     ること。​

  • 通勤・外勤に関する感染防止行動の徹底

     …出社・帰宅時、飲食前の手洗いや手指のアルコール消毒を徹底すること。時差

      通勤のほか、可能な場合には自転車通勤、徒歩通勤など公共機関を利用しな

      い方法の積極的な活用を図ること。

  • 職場や通勤・外勤での感染防止のための在宅勤務・テレワークを活用すること

また、発熱、咳などの風邪症状がみられる社員(風邪の症状や37.5℃以上の発熱が4日以上続いている場合など)については、新型コロナウイルスに感染している可能性を考えた労務管理をすることとしています。


具体的には、出勤免除(テレワークの指示を含む)を実施するとともに、その間の外出自粛を勧奨するなど、「出勤しない・させない」の徹底を全員に求めることが必要です。さらに、高齢者や基礎疾患のある方、免疫抑制状態にある方、妊娠している方についての配慮も求められます。

社員が陽性者等であると判明した場合には、

  • 速やかに会社へ電話・メール等により報告すること(報告先の部署・担当者、報告のあった情報を取り扱う担当者の範囲等)

  • 社員が陽性者等になったことをもって、解雇その他の不利益な取扱いや差別等を受けることはないこと

  • 必要に応じ、休業や賃金の取扱いなどに関すること

などについて社員に周知することが大切とのことです。

<参 考>

厚生労働省「新型コロナウイルス感染症の大規模な感染拡大防止に向けた職場における対応について労使団体に要請しました」

改正健康増進法が全面施行

         喫煙ルールがどう変わったのか?


4月1日から改正健康増進法が全面施行され、望まない受動喫煙を防止するための喫煙ルールが大きく変わりました。実は同法により、2019年7月から学校や病院、児童福祉施設、行政機関等での「原則敷地内禁煙」が始まっていましたが、全面施行により多くの施設が「屋内原則禁煙」になっとものです。

ただし、オフィスや飲食店等は、喫煙専用室と加熱式タバコ専用喫煙室の設置が認められています。また、加熱式タバコ専用喫煙室では、経過措置として飲食等を行うことが可能となっています。


施設に喫煙室を設置する際には、指定された標識の設置が義務付けられています。しかしながら、紛らわしい標識の掲示、標識の汚損等は禁止となっています。また、20歳未満の人(従業員を含む)は、たとえ喫煙を目的としない場合であっても、喫煙エリアへの立入りは禁止となります。

改正健康増進法では、施設の管理権原者(管理者)にこれらの行為の禁止が義務付けられています。違反した場合は、都道府県記事からの指導、勧告、命令が行われ、悪質な場合には企業名の公表や罰金が科せられることもあります。

以上の措置が改定健康増進法において定められていますが、本法とは別に、各自治体個別の細かなルールが受動喫煙防止条例として制定されているので確認が必要です。また、労働安全衛生法では、事業者に対して屋内における労働者の受動喫煙を防止するための努力義務を課しています。これらの法律の規定により事業者が実施すべき事項をまとめたガイドラインが策定されています。

また、呼吸器系、肺の専門家等からなる国際結核肺疾患連合は、喫煙者が新型コロナウイルスに感染すると、非喫煙者よりも重症化したり、死亡するリスクが高いことを指摘し、たばこ会社に対して製品の製造と販売停止を呼びかけました。

日本禁煙学会では、喫煙室は人が密集し、密閉空間であることから、濃厚接触の場となるおそれがあることをホームページに掲載し、すべての喫煙所、喫煙室の閉鎖を呼びかけています。喫煙のリスクや喫煙場所の大幅縮小によって、喫煙者の禁煙を始めるきっかけになるかもしれません。

<参 考>

厚生労働省「職場における受動喫煙防止のためのガイドライン」

© 2007 ConsultingHouse PLYO