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情報セキュリティヌ問題に芋る「教育効果の階局」

                       倧須賀信敬組織人事コンサルタント


昚今、倧手䌁業の保有する顧客情報がセキュリティ䞊の問題から挏えいし、倧きな瀟䌚問題ずなるケヌスが少なくない。恐らくは、圓該倧手䌁業偎でも情報セキュリティヌに関する䞀定の教育指導が行われおいたであろう。それにもかかわらず、「定められたルヌルを遵守しない」など、教育指導が効果を発揮しないケヌスが埌を絶たない。それは䞀䜓、なぜだろうか。



第段階でずどたりがちな瀟員教育

瀟員に新しい行動を求める堎合、さたざたなスタむルで教育指導が実斜される。しかしながら、教育指導の効果は䞀様ではなく、教育によっお達成できるレベルは次の段階に分かれる。「知っおいる段階段階」「できる段階段階」「実践しおいる段階段階」の段階である。


番目の「知っおいる段階段階」ずは、教育によっお䞎えられた情報を頭で理解した段階である。番目の「できる段階段階」ずは、理解した情報を掻甚できるスキルが身に付いた段階である。番目の「実践しおいる段階段階」ずは、身に付いたスキルを掻甚しお、理解した情報を業務に反映させおいる段階である。これを「教育効果の階局」などずいう。


本来、䌁業が実斜する教育指導は、第段階である「教育によっお䞎えられた情報を業務に反映させおいる段階」を到達目暙ずしおいるはずである。しかしながら、倚くの䌁業では教育効果が第段階である「できる段階段階」にずどたりがちである。぀たり、教育指導で䞎えられた内容を「知識ずしおは理解しおいるし、やろうず思えばできるけれども、実行には移さない」段階の瀟員が極めお倚いずいうこずである。


“その気” にならなければ、ヒトの行動は倉わらない

たずえば、䌁業が行うセキュリティヌ教育の䞭には、定期的に教育甚のレゞメを配垃し、レゞメを読んだ埌に確認テストに回答する、ずいう方法をずるものがある。しかしながら、このような教育指導が行われおいる珟堎で、セキュリティヌ教育で孊んだ知識が業務に反映されおいるかずいうず、必ずしもそうではない。


珟堎のセキュリティヌレベルは、教育を実斜する前ず䜕ら倉わらない䌁業も少なくないのが珟状のようである。セキュリティヌに぀いお「知識ずしおは理解しおいるし、やろうず思えばできるけれども、実行には移さない」のである。


このような珟象が起こる背景には、人間が行動を起こす際の仕組みが関係しおいるこずがある。その仕組みは次のような「行動倉化の原則」で説明できる。

【行動倉化の原則】

  1. 知らなければ、ヒトの行動は倉わらない

  2. 知っおいおもできなければ、ヒトの行動は倉わらない

  3. できるこずでも “その気” にならなければ、ヒトの行動は倉わらない

前述のようなセキュリティヌ教育を行った堎合に、教育で䞎えられた情報が実務に反映されない最倧の理由は、教育指導によりセキュリティヌに察する「意識」が改善されおいないこずにある。前述のような教育指導では、セキュリティヌに関する「知識」は身に付くかもしれないが、セキュリティヌに関する瀟員個々の意識、自芚、責任感などは必ずしも醞成されない。


そのため、「知識ずしおは理解しおいるし、やろうず思えばできるけれども、実行には移さない瀟員」を倚数、産み出しおしたう。「意識」が改善されるこず、぀たり、瀟員自身が “その気” にならなければ、行動は倉わらないわけである。


真の教育効果の発珟には「意識面」の教育が必須

単に情報を䞎えるだけの教育指導では、第段階である「知っおいる段階段階」たたは第段階である「できる段階段階」の教育効果しか達成できないケヌスが倚い。䞎えた情報が実行に移されるためには、瀟員䞀人ひずりの「意識」を倉えるこずが必須条件である。


぀たり、瀟員自身が自分の意思で「それをやろう」ず思うように仕向ける教育指導ができない限り、教育効果が第段階の「実践しおいる段階段階」に到達するこずは困難ずいえよう。


䌁業における瀟員教育には、「知識面」の教育ず「意識面」の教育の぀の偎面があるが、「意識面」の教育にはあたり重点が眮かれない傟向にある。しかしながら、「知識」を䞎えたからずいっお、必ずしも「意識」が倉わるわけではない。瀟員に新しい行動を求める堎合には、「なぜ、そうしなければならないのか」に぀いお、リヌダヌが瀟員䞀人ひずりの心に響くよう、繰り返し蚎え続けるような教育指導を行わなければ、「実践しおいる段階段階」の教育効果はなかなか埗られないであろう。


䌁業で教育指導に携わる皆さんには、ぜひずも「できるこずでも “その気” にならなければ、ヒトの行動は倉わらない」こずを螏たえ、自身の教育スタむルを振り返っおほしいものである。

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